宮城県議会 1948-12-01 12月10日-06号
そこで驚いて警察に訴え出ると親は家が流され母親は一枚の着物もないために古い「もじり」を着て死骸を引取りに来た。そのときその家の人がまことに気の毒であると思うので着物を一枚やつたということである。
そこで驚いて警察に訴え出ると親は家が流され母親は一枚の着物もないために古い「もじり」を着て死骸を引取りに来た。そのときその家の人がまことに気の毒であると思うので着物を一枚やつたということである。
かかる者を取締らずして、僅かばかりの米を買つてきて、この米によつて今晩子供の喜ぶ顏が見たいというみすぼらしい母親の懐ろの中から、一升、二升取上げる警官、さらにまた食料品店ないしは水産加工品店において、いわし一尾を賣つた。統制品のいわしを賣つたがために六箇月の営業停止を食う。
その未利用の池沼に対しましてわれわれがこいを入れうなぎを入れることによつてそこから蛋白資源を確保し、その肥りました魚を乳呑子にあるいは嬰兒を抱く母親に与えるとするならば、いかほどの感激と喜びをもつて岡田縣政を讃えるかしれないのであります。
一般母親が育てております乳兒の死亡率はと申しますと一〇%強でございます。これは申すまでもなく親は本能的にわが子かわいさのために、身の皮をはいで今日まで努力して來たからでございます。しかし今日ではもはやインフレーションの高進とやみ物價の高騰に追いつくすぺもなく、放す何物もない一般の勤労者は今後二千円から三千円もかかるやみミルクに、やみ砂糖をどうしてあがなうことができましようか。
次に子を持つ母親があの寒空におしめを干すのにすら燃料がなくて苦労をする、去年も一昨年も苦労したが、今年もまたさようなことになるのではないだろうかと都市のものは非常に心配をしておる。特に仙台市におきましては燃料問題に対して重大な関心をもち、市会がこれを議決いたしまして、議長と知事宛に請願書が出ておるはずであります。現在仙台市が割当を受けた木炭は百九萬五千俵であるそうであります。