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06月22日-03号

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  1. 金沢市議会 1988-06-22
    06月22日-03号


    取得元: 金沢市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-05
    昭和63年  6月 定例会(第2回)昭和63年6月22日(水曜日)●出席議員(42名)  議長   北市朗君          副議長  越野迪子君  1番   石坂修一君        2番   朝倉忍君  3番   安達前君         4番   的場豊征君  5番   中村勲君         6番   中村正君  7番   木下和吉君        8番   森尾嘉昭君  10番   本間勝美君        11番   南部康昭君  12番   山田透君         13番   升きよみ君  14番   杉浦常男君        15番   野本昇君  16番   小津正昭君        17番   上田忠信君  18番   干田哲郎君        19番   田中昭吉君  20番   西村直則君        21番   井沢義武君  22番   中川外司君        23番   北井博君  25番   不破実君         26番   松本捷男君  27番   鴻野博司君        28番   山田初雄君  31番   出石輝夫君        32番   大谷正男君  33番   寺中隆善君        34番   川紘一君  35番   中野光弘君        36番   平田誠一君  37番   山本利夫君        38番   村池久一君  39番   長井賢誓君        40番   神川利男君  41番   勝田三郎君        42番   末岡尚君  43番   吉田勉君         44番   中村外次君●欠席議員(なし)●欠員    9番 30番      ----------------------------●説明のため出席した者  市長       江川昇君     助役       山出保君  収入役      駒谷良則君    教育委員長代理  松田園子君  公営企業管理者  渡辺次男君    総務部長     乙村董君  企画調整部長   中村豊君     経済部長     齋藤恵三君  財務部長     柴田豊君     保健公害部長   細野昇君  農林部長     米尾貞夫君    生活環境部長   中元好君  市民福祉部長   真館和溥君    都市建設部長   油屋賢三君  土木部長     京田善治君    市立病院     市村博君  下水道部長    万行昭吉君    事務局長  美術工芸大学   若林悟君     教育長      奥清君  事務局長  消防長      奈良崎洋次君  中央卸売市場長  山内勉君  財政課長     佐子田正君      ----------------------------●職務のため出席した事務局職員  事務局長    中村博君      議事調査    岩鍛治剛君  議事調査課長  中西勝之君     課長補佐  議事係長    前平邦彦君     調査係長    黒澤和規君  主査      縄寛敏君      主任      中村和子君  書記      北村栄一君     書記      森田勝君  書記      宮田敏之君     書記      福浦基男君  総務課長補佐  谷昇君       主査      木多義隆君      ----------------------------●議事日程(第3号)昭和63年6月22日(水)午前10時開議 日程第1 議案第1号金沢市特定ガス供給条例制定についてないし議案第31号市道路線変更についてならびに報告第1号ないし報告第5号専決処分の報告について                          (質疑) 日程第2 一般質問      ----------------------------●本日の会議に付した事件  議事日程(第3号)に同じ      ----------------------------    午前10時3分 開議 △開議 ○議長(北市朗君) 本日の出席議員数は、ただいまのところ42名であります。 よって、会議の定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。            -------------- △会議時間の延長について ○議長(北市朗君) あらかじめ本日の会議時間を延長いたしておきます。 なお、上着の着用は御自由に願います。            -------------- △議案上程 ○議長(北市朗君) これより、日程第1議案第1号金沢市特定ガス供給条例制定についてないし議案第31号市道路線変更について並びに報告第1号ないし報告第5号専決処分の報告について、以上の議案31件、報告5件を一括して議題といたします。            -------------- △質疑・一般質問 ○議長(北市朗君) これより、質疑並びに日程第2一般質問をあわせ行います。 通告がありますので、これより順次発言を許します。 18番干田哲郎君。   〔18番干田哲郎君登壇〕    (拍手) ◆18番(干田哲郎君) 質問の機会を得ましたので、自由民主党議員会の一員として、2点について質問いたします。市長並びに関係者の誠意ある御答弁をお願いしたいと存じます。 質問の第1点は、21世紀金沢の都市像について伺います。 金沢市は、昭和59年3月、市民参加による「21世紀“金沢の未来像”」を策定し、60年当初議会の議決を経て、地方自治法第2条第5項に基づく「金沢市基本構想」を確定し、これをもとに61年度から70年度に至る10カ年間の「金沢市基本計画」を定め、本市未来像の基本理念である「国際的文化産業都市づくり」を計画的に推進することとされました。 各位も御承知のとおり、明年は市制施行 100周年を迎えます。いわば金沢市の第2世紀への歩みを進めることになるわけであります。この際、本市の未来像の高邁な理念の具現化へ向けて、61年、62年度と進めてこられました主要施策の成果と今後の対応について、市長の基本的なお考えをまずお伺いしたいと存じます。 本市は、豊かな緑、清冽な水、そして起伏に富んだ地形と自然環境に恵まれ、南東部に広がる山岳丘陵地を借景として、まことに美しい都市景観を形成しております。また、豊かな自然は、豊かなすぐれた文化環境を生み、都市構造から暮らしぶりに至るまで藩政以来の伝統が色濃く残されており、潤いと伝統の深みある金沢の個性を醸し出しております。また、本市は、金沢城を中心にして香林坊、武蔵ケ辻、尾張町、橋場町、石引・小立野など幾つかの商業集積地区が形成され、適度の人口密度を抱えて、極めて住みやすい環境にあります。 このように自然、文化、居住の環境が一つに溶け合って、文化伝統が保全され、他の都市には見られない快適さを備えた町となっています。金沢のよさもまたここにあると思います。 しかしながら、このまま静態的に町を保全することはできません。町は生きており、常に社会の変化に伴いながら変化し、時には衰退の道をたどることもあります。それだけに、歴史的伝統や文化を継承しつつ、変化を先見して創造的な革新を図り、その発展を促していくことが肝要であると思います。 先ごろ、金沢青年会議所は、創立以来35年にわたって議論し提唱し続けてきた金沢の都市づくり構想を「和風情報都市」というイメージで提言しています。この提言では、芸術と科学が融合する町「金沢」、その発展的構想が形をそのままに中身を未来に向けて変化させる、すなわち転生、転生して「和風情報都市」を形成するとして、その戦略的アクションの第1に、国際的デザインコンペテーションで考える中央ゾーンを掲げています。これは、金沢城址を中心とする本市の中央ゾーンにおける町づくりのアイデアを広く世界に求め、その高度ですぐれた感性から学ぼうとするものであります。 第2のアクションは、「食と風土の祭り、フードピア金沢」で食べ物をキーにした情報発信の可能性を探り、伝統文化としての金沢の食文化を磨き続け、それをもとに人間的なつながりであるヒューマンコンタクトを強め、情報ネットワークを進め、つまりは「和風情報都市」を形成しようとするものであります。 私は、青年会議所のこのような行動は、金沢をこよなく愛する人々の町づくり意識の発露であり、本市の基本理念への深い理解によるものと評価するとともに、その発想は極めて金沢的であり、共鳴するところ大なるものがあります。これらに対する造詣の深い市長のお考えをお聞かせ願いたいと存じます。   〔議長退席、副議長着席〕 次に、文化と産業について伺います。 申すまでもなく、都市文化は、地域産業のエネルギーを吸収し、活用しながら伸びていくものであります。産業の発展なくして文化の進展はないのであります。こうした観点から、私は、本市の目指す国際的文化産業都市具現化方策は、文化と産業は表裏一体のものでなければならないという基本的な立場で立案され、実践されなければならないと思っております。 我が国経済は、経済摩擦の激化、急激な円高等の厳しい試練を克服して、より強く、よりたくましく順調に上昇方向へ推移しているようであります。こうした情勢のもとで、産業構造もまた重厚長大型から軽薄短小型へと移行しつつあり、さらには資源の乏しい我が国は、経済のソフト化へと急速に移ろうとしております。 本市におきましては、第2次産業では機械金属工業、繊維工業が中心的位置にありますが、産業全体では近年とみに第3次産業のウエートが高まり、経済のソフト化が進展しております。こうした時代の変化に的確に即応して、本市経済の活力を持続させ発展させていくためには、伝統的な基幹産業である機械金属工業、繊維工業を足腰の強い産業への育成に努めるとともに、産業構造のバランスに配慮しつつ、新たに目標を定め、知識集約型の産業、殊にソフトインダストリーの集積を図ることが重要な課題であると思いますが、市長のこれらに対する明確な御見解をお伺いしたいと存じます。 先般、中部9県の知事などが集まり、第四次全国総合開発計画を背景として、21世紀を展望し、第3次中部圏基本開発整備計画がつくられました。それによりますと、北陸は知識集約型の産業の育成を図り、金沢都市圏に新たな情報処理産業の拠点をつくると示されております。 また、石川県においては、「北陸の未来を考える会」が東京において開催され、中央の学識経験者、財界人等が懇談し、そこで北陸の発展、活性化に向けて多くの意見、提言がなされました。特に、永井元文相は、「北陸3県で教育計画会議を設ける。金沢美術工芸大学の充実等高度な教育機能を高めて、有能な人材を全国から集積できるようにせよ」と提言されております。 石川県は、また最先端の情報をふるさとにと、筑波石川研究交流会を発足されるなど、まさに知識集約型産業による県勢活性化の条件整備に努めているようであります。 金沢青年会議所は、昨年9月に、前に述べました21世紀の「和風情報都市」提言の中で、デザインインテリジェンスの発信地「金沢」を構想して、国際水準のデザインスクールの誘致を提唱しております。「7月15日から11月26日までの約4カ月間、名古屋市において『世界デザイン博』が開かれますので御利用を」と、名古屋市助役が先般市長を表敬訪問されました。 私は、このような知的産業集積への諸般の動きに即応して、本市としても戦後40年、財政的に非常に苦しい時期を乗り越えて、じっと耐えながら守り育ててきた金沢美大を拠点にして、本市の持つ伝統文化伝統産業などを一体化した個性豊かな国際的デザイン都市づくりを提唱したいと思います。 北部イタリアのフェレンツェはファッションの発祥地とも言われています。フランスのパリにはシャンゼリゼ通りに並行してフォーブルサントノレ通りという有名なファッション街があります。そこには「カルダン」、「サンローラン」、「ルィフエロー」、「クレージュ」、「ウンガロ」といった服飾から香水に至るまでの世界のトップモードが軒を並べております。パリに豊かな伝統産業のストックがなかったら、この通りはできなかったろうとまで言われております。 市長、イタリア北部からフランスにかけてファッションを学ぶ都市がたくさんあります。それらの適切な都市と姉妹都市を結ぶくらいの意気込みを持って国際的デザイン都市づくりに取り組んでほしいと思いますが、いかがでしょうか。市長の積極的なお考えをお聞かせ願いたいと存じます。 次に、新たな工業用地の確保についてお尋ねします。長期計画の工業については、「地域経済の活性化を図るための工場立地や企業誘致を積極的に進めるために、道路網の整備を初め立地環境の整備を図るとともに、新たな工業用地を確保し、知識集約型産業など新規企業の誘致を積極的に推進する」と述べられ、新たな内陸型工業用地の整備を進めるとの方針が決定されております。 先般、東部環状道路を利用して東部丘陵地に計画された工業団地整備の中止はやむを得ない点もありましたが、いつまでも将来展望のないままでは、本市経済の活性化を図る上で大きな問題があると思います。市域の適地を見定めて早急に計画され、積極的に知識集約型産業を主体として企業誘致を図られるべきと考えますが、市長の決意のほどをお伺いしたいと思います。 第2点は、去る5月4日行われましたパーク・アンド・バスライドシステムについて質問いたします。 このシステムは、かねてから各方面でいろいろ議論がなされておりましたが、私は、本市の交通問題を考えるとき、金沢の町並みは古い文化がしみついたものであるということから出発しなければならないと考えております。緑あふれる美しいたたずまいを見せる金沢市の町と、現代の繁栄をもたらした自動車との調和をいかにして求めるか、ここから本市の交通問題は出発しなければならないと考えるものであります。 また、金沢市の都市交通問題は過去にいろんな経過を経て今日に至っており、要は、理論は出し尽くされていると思います。いかにしてそれらの中から適切な方法を実行に移すかであります。金沢市の都市交通対策には特効薬はないのであります。関係者が心を一つにして勇断を持って、いかに実行するかにかかっていると思います。観光期における兼六園は、駐車場の不足からくる交通混雑があり、観光客はもとより一般市民も交通渋滞に巻き込まれ、大きな迷惑をこうむっており、その解決は焦眉の課題となっていたのであります。 今回の試行は、一時期に集中するマイカーを郊外の駐車場に駐車させ、観光客をバスでピストン輸送するものであります。本市の限られた道路空間を効率的に使用し、金沢の文化を落ちついてゆっくりと触れていただくという観点からまことに有効な手段であり、また観光目的での本システムとしては数少ない実施例であります。試行とはいいながら、県や県警など関係機関との緊密な連携のもとに実行されたこと自体に大きな意義があったと思います。 県外の観光客からは、「道のわからない県外の者にとっては大歓迎の試みであり、早く目的地に着くので便利です」とか、「複雑な道に迷わず、駐車場探しの手間も省けて大助かりでした」とか、「金沢の町ならではという感じのサービスで町のイメージアップになると思う」という感想が報道されていましたが、観光産業を推進する本市としては、観光客に好評を得たこの方式をさらに関係機関と協議をしながら、この方式を当面する交通問題の解決の一環として検討すべきと思うが、次の3点について市長並びに関係者の所信をお聞かせいただきたいと存じます。 まず第1に、今回のシステムは徹底したバス優先の考え方を貫いたことであります。これに伴い、警察、街頭推進隊等の出動を得て、3キロ余りに及ぶバス専用レーン、兼六園周辺の一方通行規制など長時間にわたり行ったものであり、徹底したものでありました。それゆえでもありましょうが、「道路は広く人が使うもの、特にタクシー業界はある意味で公共輸送機関の一翼を担っており、朝夕のラッシュ時にはタクシーバスレーンを走れるのに、何で今回は外されたのか。今後も続けるとすれば、タクシーも走らせてほしい」という意見も出ております。タクシーに関する所見をお聞かせいただきたいと存じます。 第2点は、当面の本市の交通システムとして、パーク・アンド・バスライドは現実的で手の届くものとして大きく浮上してまいりましたが、これには東インター西インターを初め、郊外に大規模駐車場を確保し、マイカーはそこで大量公共輸送機関に乗りかえる発想がぜひとも必要であります。今回は試行ということで、石川県農業会館の駐車場を借りることができましたが、将来的には必要な時期に駐車場をどのように確保するかが大きな課題となりますが、どのような所見をお持ちかお聞かせいただきたいと存じます。 3点目は、今年7月、親不知区間が開通することにより、北陸自動車道が全面開通となり、東北、関東・甲信越方面の観光客が大幅にふえることが予想され、今でさえ東山方面の混雑は目に余るものがあります。今回は、西インター方面だけでしたが、東インター方面における駐車場の確保及び同システムの開設、東山、浅野川、尾張町、武蔵方面における停留所の設置等、その他経済的な諸問題等も考えられますが、総合的に検討して成案をつくり、それを発表して広く市民の協力を求めるべきと思うが、所信のほどをお聞かせいただきたいと思います。 以上をもって、私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(越野迪子君) 江川市長。   〔市長江川昇君登壇〕 ◎市長(江川昇君) 18番干田議員からの御質問に対しましてお答えをいたします。 金沢市が計画いたしております「21世紀“金沢の未来像”」の中での61年、62年度の事業でございますが、これらはおおむね計画どおりにいったと思っております。基本計画の前期計画は2年を--2年と申しましたのは、前期計画が2年を経過した今日であるから2年と申し上げたわけでございますが、その後、皆さんの御協力によりまして、当初に計画した施策はほぼ順調に進捗いたしておると思います。今後は、計画の一定期間における進行管理を行いまして、市民ニーズの動向や社会経済情勢の変化に対応しながら、国際的文化産業都市の形成を目指しまして、さらに努力を払っていくつもりでございます。 次に、和風都市の件でございますが、どこの都市にも見られるような画一化された町づくりへの反省が求められておる今日でございます。先般、金沢青年会議所が提唱された和風情報都市のイメージ、これはまことに時宜を得た提言であると受けとめております。そしてまた、その提言に対しましては敬意を表するものでございます。今後の町づくりのための一つの貴重な参考とさせていただきたいと思うわけであります。 次に、産業の振興とソフトインダストリーについてでございますが、金融制度等工業振興策を十分に活用いたしまして、既存の基幹産業、さらには伝統文化産業の育成、強化を図るとともに、経済のソフト化に対応いたしまして、企業立地の動向を調査し、その結果を踏まえて、本市にふさわしいいわゆる知識集約型産業の集積を検討していきたいと、かように考えるものでございます。 次に、国際的デザイン都市づくりでございますが、御提言にもありましたように、本市は全国に誇る金沢美大にデザイン講座がありますので、これが一層の充実を図り、また明年のデザインイヤーや各種の国際的イベント等の誘致などによりまして、すぐれた感性を取り入れていきたい。姉妹都市の話もありましたが、姉妹都市の問題は別といたしましても、我々は、国際的デザイン都市づくりの条件整備を進めていくというぐあいに考えておるわけでございます。 内陸工業団地の見通しでございますが、工業団地の確保については、本年4月、庁内にその可能地選定のための工業用地適地検討委員会を発足させました。そして、現在、内部で現地調査等の作業を進めておるところでございます。今後、これらの調査結果によりまして、また専門家の意見も聞きまして、慎重に検討いたしまして適地を見出していきたいと、さように考えておるわけでございます。 次に、2番目の問題といたしまして、パーク・アンド・バスライドの評価と将来の対策についてで御質問がございました。 バス乗り継ぎ方式は、当初予測よりも約6割増の利用者がありました。その波及効果によって、市内の交通混雑もある程度解消されました。そして、おおむね好評であったと私は思います。 将来の対策につきましては、詳細なデータを分析中でございますが、利用者の約96%は大変便利であったというような好評をいただいたのであります。その結果を踏まえまして、7月以降、県や県警などの関係機関と、本格的な実施などの具体策について協議を重ねてまいりたいと考えております。 タクシーにつきましては、部長にお尋ねでございますが、さらにこの制度については今度どういう形かで取り入れていくということを前提にして考えておりますので、御了承を願いたいと思います。 ○副議長(越野迪子君) 中村企画調整部長。   〔企画調整部長中村豊君登壇〕 ◎企画調整部長(中村豊君) パーク・アンド・バスライドの評価と将来の対策について、市長答弁を補足いたします。 まずタクシーの関係でございますが、バス専用レーンタクシーを入れなかったのは、基本的にはバス輸送が停滞しないようにという考え方でございまして、この基本方式は守るべきと思いますが、今後の実施に向けては県警など関係機関と十分に協議してまいりたいと思います。 また、東インター周辺における大規模駐車場の確保についてでございますが、この確保はバス乗り継ぎ方式に必要欠くべからざる条件でございまして、重要な課題でございます。 駐車場の安定的確保につきましては、県など関係機関と調整をしていきたいと考えております。 また、北部運動公園の駐車場についてでございますが、供用を早めることができないかどうか、具体的な点を含めて検討してまいりたいと思います。 また、有料制、それから経費の節減、観光ルートの拡大等についての御指摘の点は、今後十分研究していくことにいたしております。 また、今回の成果も市民の方々の絶大な御協力があったものと思っております。今後とも、皆様初め市民の方々の御協力をお願いしたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(越野迪子君) 8番森尾嘉昭君。   〔8番森尾嘉昭君登壇〕    (拍手) ◆8番(森尾嘉昭君) 私は、日本共産党市会議員団の一人として、市長並びに関係者に質問いたします。 質問の第1は、ごみ収集についてであります。 市長は、現在、市内中心部で普通ごみの収集週2回のうち1回の各戸収集を廃止し、ことし10月よりすべてステーション方式に切りかえるとの方針を打ち出しました。これによって、市内中心部23校下の世帯数の42%、約2万 7,700戸がその影響を受けることになるわけであります。 我が党は、さきの3月議会でも取り上げ、明らかにしたように、ごみの各戸収集の廃止による市民サービスの切り捨てには反対であり、住民サービスの向上こそ行政の重要な仕事と考え、この問題について市民アンケートを実施しております。現在寄せられた市民の声をここで紹介しますと、「老人、病身者は風雪時は困る。ステーション方式は衛生面で問題が多過ぎる」、「腰痛の上、老人ばかりなので各戸収集の存続を」、「ステーション方式は高齢者は遠いから持っていけない」、「商店などがたくさんあるところでは各戸収集がぜひ必要である」、さらに、「ステーションですと、どうしても前の日に出したりする人があり不衛生になりやすいし、犬や猫、カラスの被害が多くなります。ステーションはきちんとした設備のある場所に決めてほしい」などなど、そのほとんどが各戸収集の存続、拡充を訴えています。市長、あなたは、こうした市民の声にどうこたえるのですか、まずその所信を伺いたいと思います。 市内中心部での各戸収集について、市長はその廃止理由を、不公平感の是正や収集の効率を挙げていますが、各戸収集はこうした理由では片づけられない大きな役割を果たしているのではないのですか。市民アンケートに寄せられたように、市内中心部での高齢化の進行と相まって、お年寄り世帯にとって、この各戸収集は福祉サービスの側面を持ち、大変喜ばれています。   〔副議長退席、議長着席〕 もう1つの側面は、市内中心部は家が軒を並べている上に道路は狭く、坂道も多いなど、ごみのステーションを設置することすら難しく、その上、衛生管理上多くの問題を抱えていることです。この点、各戸収集は衛生管理上すぐれています。 市長は、「快適な町づくり」を言ってこられましたが、この点からすると、ごみ収集についての諸問題を何ら解決せず、各戸収集だけを廃止することは、「行政改革」ではなく「行政改悪」ではありませんか。しかも、弱者切り捨てをあえて実施するのですか。市長の明快な答弁を伺いたいと思います。 なお、市内に約1万 4,300カ所のごみのステーションがありますが、この衛生管理上の問題をどう把握され、その改善に取り組んでいるのか、生活環境部長から明らかにしていただきたいと思います。 また、普通ごみ週2回、不燃物ごみ月2回の収集回数をふやす考えはないのか、あわせ伺いたいと思います。 質問の第2に、農業問題についてであります。 ある63歳の農民は、「雲が自然に消え去るように日本農業もだんだん減少して消え去っていくのではないだろうか、私はそんな気がする。だから息子に声を大にして、『農業を継げ』とは叫ばれない。それは農民として死ぬよりもつらいことである。日本農政の最大の危機である。日本農業存亡の転機である」と語っています。これは、農民共通の叫びではないでしょうか。 竹下内閣は、アメリカの理不尽な要求に全面的に屈服し、牛肉・オレンジの自由化を決定しました。これは、ことし2月の農産物10品目の自由化受け入れに続くもので、日米安保条約によって、日本がアメリカの51番目の州に成り下がっていることを一層明らかにいたしました。こうした政府・自民党の対米従属、農業切り捨ての本格化は米の自由化に大きく道を開くとともに、農家の経営と生活に決定的な打撃を与え、国民の胃袋を完全にアメリカに握られることにつながります。農産物の輸入自由化が国内農業に与える打撃は壊滅的です。牛肉が完全自由化された場合、我が国特産の和牛飼育頭数は10分の1に激減、米の自由化では国産の生産が3分の1に減ってしまうとの指摘があります。また、国民にとっては食糧自給率の急速な低下とともに、安全で安定した食糧の供給を根底から危うくしてきています。 市長は、昨日の我が党の代表質問に対して、「農産物の自由化はやむを得ない」と答弁されましたが、これは文字どおり農業つぶしを進める自民党の代弁そのものであります。市長は、農産物の自由化を認めた上に、さらに米の自由化にも賛成なのですか、その見解を伺うものであります。 さて、米づくりについても事態は一層厳しい局面を迎えてきています。第1に、生産者麦価に続いて生産者米価の5%に上る引き下げが検討されていることです。さらに、米に対する国の管理責任を大幅に緩める方向で食管制度の改悪が進められていることです。第2に、良質米奨励金をことし平均10.7%引き下げ、87億円の予算削減が行われたことです。第3に、昨年からスタートした新減反政策で、77万ヘクタールに及ぶ減反が、ことしさらに1万 4,000ヘクタール追加されるなど、減反の一層の強化が進められていることです。市長は、これまで減反政策に反対せず政府の方針に従う態度をとられてきましたが、米価の引き下げを初め、こうした政府・自民党の方針で本市農業を守ることができると考えておられるのですか、明快な答弁を求めるものであります。 また、市長は、「都市型農業としての競争力のある生産性の高い農家を育成することが急務」と述べられておりますが、今年度の本市農政にはその具体化は何ら示されておらず、政策も予算も貧困な内容となっています。現実は、 1,125ヘクタールに及ぶ減反の押しつけによって、水田の4分の1で米づくりができず、割の合わない農業へ見切りをつける方向が強まり、農地は一層荒廃、切り売りされてきています。転作についても、湿田の多い本市では進まず、水田預託が40%に上っています。 市長、本市農業を維持・発展させるための意欲ある政策と実行が必要ではありませんか。具体的に、第1に、市街化区域の農地を守るという点から、都市農園の創設、八田、大場、湊、安原など、規模の大きい農地の保全対策、緑地保全の立場から水郷公園や市民農園などの具体化、第2に、減反に伴う農地を本市が援助し、野菜、花卉づくりなど集団化を進める、また、従来から提案してきた1億円規模の野菜価格安定基金などを創設するなど、採算のとれる農業の具体化、第3に、大根などの連作障害の対策として、河北潟など一定の規模の農地を確保するなどの具体化、こうした具体策について農林部長より答弁をお願いいたします。 なお、農地の保全に関して、農業委員会の果たす役割は重要です。どういう姿勢で臨んでいるのか伺いたいと思います。 質問の第3に、予防接種についてであります。 百日ぜき、ジフテリア、ポリオ、風疹、麻疹など、伝染病の発生及び蔓延を予防するために、昭和23年に予防接種法ができ、予防接種が義務づけられて実施されてきました。また、昭和51年には法改正が行われ、予防接種によって病気になったり後遺症を残した場合には、国が救済することが明確にされてきました。これによって、小児麻痺と呼ばれるポリオは昭和35年ごろ大流行した伝染病でしたが、近年ほとんど発生がありません。そのため、こうした伝染病への関心が薄れてきています。 しかし、世界的には5歳以下の子供の死亡が 1,400万人に上り、そのうち予防接種によって約25%、 350万人を救うことができると指摘をされております。よって、WHO--世界保健機構は、「1990年までにすべての子供に予防接種を」と呼びかけるなど、伝染病予防は今日的な課題となっています。 私は、昭和62年定例第2回市議会でこの問題を取り上げ、予防接種を受けやすくし、その接種率向上のための対策を求めてきました。本市は、この予防接種率向上のために、どのような対策をとってきたのか。中でも、接種漏れの子供の対策をどのようにとってこられたのか、市長より明らかにしていただきたいと思います。 なお、今回発行された本市の「衛生年報」には、これまで記載されていた予防接種率が削除されていますが、これはどういう理由か、あわせ答弁をお願いいたします。 具体的には、ポリオの予防接種については、2回目の接種率が50%台と非常に悪く、しかもその有効性のためには3回接種が検討されている状況のもとでは、本市の抜本的改善が急がれるわけであります。 私は、この点での改善をさきの議会で求めました。第1に、春だけの接種を秋にも実施すること、第2に、個別はがきなどお知らせを強化すること、第3に、接種漏れの子供には市立病院で実施することなど、この点でどのような対策を行ったのか、担当部長より明らかにしていただきたいと思います。 次に、麻疹、いわゆるはしかは、1984年に全国的に流行しましたが、本市の接種率は約70%と、決してよいとは言えません。また風疹は、妊娠初期にかかると先天性異常児が生まれる心配がある伝染病で、現在、中学生の女子を対象に予防接種が行われておりますが、接種率は64%にとどまっています。 ムンプス、流行性耳下腺炎、いわゆるおたふくかぜは、学校伝染病の中では水ぼうそうと並んで一番欠席数の多い病気となっています。しかし、希望者に任意接種のワクチンとなっており、費用も高く、接種率も極めて低い水準です。 ところで、この麻疹、風疹、ムンプスの3種混合ワクチンが開発され、来年度から実施されようとしています。このMMRワクチンの実施について、どのような検討がされていますか。幼児期と中学生の時期、2回の実施、本人の費用負担は無料とするなど、予防接種率の向上に当たるべきと考えます。担当部長の見解を尋ねるものであります。 質問の第4に、平和教育についてであります。 奥野前国土庁長官は、日中戦争について『侵略』という言葉を使うのは嫌だし、あの当時、日本はそういう意図はなかった。東京裁判は勝者が敗者に加えた懲罰だと理解している」と語り、また「日本は天皇を中心に神道を通じて団結している」とも述べました。こうした一連の発言は、侵略戦争と天皇制暗黒支配を二度と許さないという戦後政治の原点を真っ向から否定し、平和憲法を踏みにじるものとして断じて許すことはできません。こうした奥野氏の発言を許さず、大臣辞任に追い込んだ国民世論は、その平和・民主主義を守る力を示しました。 あの15年戦争は、日本帝国主義の侵略戦争であったことは歴史的に紛れもない事実であります。当時の絶対主義的天皇政府は、1931年9月18日、関東軍が仕立てた柳条溝の鉄道爆破の謀略事件を口実に中国への侵略戦争を開始、翌年1936年11月、ナチドイツと日独防共協定を結び、1937年には蘆溝橋事件を契機に中国全土へ侵略を拡大していきました。1941年12月8日にはアメリカ・イギリスに宣戦布告し、アジア・太平洋地域に侵略戦争を拡大したのでした。天皇の帝国主義軍隊は、南京大虐殺を初め、中国・アジアにおいて非人間的な略奪、凌辱など残虐行為をほしいままにしました。こうして、15年に及ぶこの侵略戦争は、日本人 310万人の死者とともに中国・東南アジアなどで 2,000万人などの死者という途方もない犠牲を与えたのです。それゆえ、こうした侵略戦争の反省の上に立って、日本国憲法は、戦争放棄と恒久平和、国民主権をうたいました。そして、この憲法の精神に立って、教育基本法も平和を教育目的に掲げ、戦争を二度と起こさないとの決意を固めてきたのであります。市長は、戦後政治がこうした侵略戦争と天皇制暗黒支配に対する深い反省の上に出発したという原点について、いかなる認識を持っておられるのか伺いたいと思います。 教育長は、この点どのような見解を持っておられますか。また、憲法と教育基本法に基づいて教育現場で平和教育をどのように進めておられるのか明らかにしていただきたいと思います。 全国では、8月15日を中心に戦争体験、原爆空襲などの体験学習など、さまざまな平和教育がされています。本市での具体的な取り組みについても明らかにしていただきたいと思います。 次に、日の丸・君が代について伺います。 市長は、この点で、「児童・生徒が国旗・国歌を尊重する心を持つことは極めて大切なことである」と述べています。しかし、この日の丸・君が代が戦前・戦後を通じて、国旗・国歌として正式に法制されたことが全くないとのことであり、その上、これを児童・生徒に押しつけようとする発言は、極めて政治的な発言で重大であります。 世界各国では国旗・国歌について近代的な立法によって定められており、西ドイツ、フランス、ソ連などのように憲法で制定されている国すら少なくありません。日の丸は、1870年、明治3年に太政官布告によって船舶用の国旗として定められたことはありますが、この太政官制度の廃止によって失効したことは言うまでもありません。その後、慣例的に使用され今日に至っているだけであります。君が代は、もともと宮中の儀礼用として作曲されたにすぎませんが、戦前の天皇制の支配存続を支えるものとして政治的に利用され、国民に押しつけられたものです。1942年の初等科修身では、「この歌は天皇陛下のお治めになる御代は千年も万年も続いてお栄えになるようにという意味で、国民が心からお祝い申し上げる歌であります」と述べています。 このように、日の丸・君が代は、国旗・国歌とする法的な根拠は存在せず、逆に戦前の絶対主義的天皇制権力によるあの侵略戦争に国民を駆り立てる上で大きな役割を果たしたのであります。それゆえに、沖縄県民を初め国民の間に複雑な感情とさまざまな意見が存在しているのが現状であります。 中でも君が代については、天皇と天皇制をたたえる歌であって、国民主権をうたった憲法とは全く相入れないものであります。それゆえ、これを国民に一律に強制することは問題であります。市長は、こうした点について全く認識しておられないと言わざるを得ません。 ところで、戦後、学校教育において、日の丸・君が代の取り扱いが明記されたのは、1958年、昭和33年の学習指導要領ですが、君が代の上に「国歌」と記載されたのは1977年、昭和55年の学習指導要領においてであります。しかし、その内容は、掲揚し斉唱することが望ましいというもので、義務づけるには至っていません。教育長に伺いますが、日の丸・君が代は、国を愛し尊重する心を育てるものとして教育的に意義があると考え、これを強制するという見解なのですか。改めてその見解を伺うものであります。 なお、なぜ子供たちが声を出して歌わないのかという声がありますので、この点について、「めだかの学校」「夏の思い出」などで知られている作曲家中田喜直氏が、「歌詞の長さとメロディーの長さが全くつり合わず、この曲を大勢で歌うとお経のように意味がわからなくて、間延びしただらしない感じになってしまう」と述べ、「いい歌ではない」と指摘していることを述べておきたいと思います。 質問の最後に、国民健康保険についてであります。この事業会計の62年度決算の見込みは6億 2,000万円の黒字と考えられます。退職者交付金返還金の1億 7,000万円を除いたとしても4億 5,000万円が黒字として国保会計に残ることになります。国保料は年間80億円ですから、この財源は6%に当たるものです。私は当初議会でも取り上げましたが、今年度の最高限度額年39万円を40万円へ引き上げたのは全く必要がなく、逆に国保料の引き下げは可能だと考えるものであります。この点の市長の見解を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(北市朗君) 江川市長。   〔市長江川昇君登壇〕 ◎市長(江川昇君) 8番森尾議員から、ごみの各戸収集その他重要な問題についての御質問がございました。私からお答えをいたしますが、まず、ごみの各戸収集でございますが、これにつきましては、御承知のように全市のうち約19.2%、2万 7,000余りの世帯になるかと思いますが、この世帯には、その地域では週2回収集のうち1回はステーション、1回は各戸収集の形態をとっておることは御承知のとおりでございます。今回御提案になりました話によりますと、いろいろな説があることは私も聞いております。カラスがつつくとか、あるいはまた不衛生であるとか、そういう声は聞いておりますけれども、やはり市民の不公平感を是正をしなけりゃならぬ。それから不衛生だという声もありますけれども、これらもある程度は収集の方法によって除去できると思いますので、10月を目標にして完全ステーション方式に移行したいというぐあいに考えております。その点は、どうぞ御理解をお願いしたいと思います。 次に、農産物の問題でございますが、前に升議員からも御質問がございましたが、農産物の問題につきましては、森尾議員はどの程度に御体験があるのか私は知りませんが、私は百姓の子供ですから、子供のときから百姓を実際やっております。したがって、そうした体験から今日の農業については非常に憂慮もしております。と申しますのは、今日の大きな流れというものは世界的な流れの中にあるのじゃなかろうか。そうしますと、この農業は単に我々一農家、一部落のみでは論じられない時代ではなかろうか。そうしますと、したがって、大きなこの世界の流れの中で論ぜられるべきものであると思いますが、まず升議員の御質問にもお答えいたしましたように、農業が農家あるいはまた一般住民に与える影響は、少しでも軽くなるようにいたしたい。そのことを市長会等を通じて、まず中央に働きかけていきたいと思うのであります。 私は、最近のこの米をめぐる問題は、近年の3年連続の豊作並びに消費等の減退によりまして、大変厳しいものがありますが、私は、米は単に政府のための値下げでない。これはやはり農民も共同の責任を負わされておるという、そういう観点に立ちますれば、厳しい中でやむを得ないのじゃないかなと思っておりますが、しかし、少しでも今日のこういう状況から脱却をさせたい、そして市としては夢を持てるような農業の経営をやらせなけりゃならぬ。そういうことで、夢を持てる農業の施策を考えておるわけであります。 まだ農業についてはありましたが、これは部長からお答えいたしますけれども、要は、農業については非常に厳しゅうございますけれども、これはやむを得ぬということを単に申し上げたのではない。非常に厳しい中でも、世界的な動向の中で、我々は、やはりもっと農民に対しまして、農民自身も自助努力が要りますし、また行政もそれに呼応してやらなきゃならぬと、双方相まって努力することによって、何らか少しでも解決する道が見出せるようになるのじゃなかろうかと思っていおるおけでございます。 次に、予防接種でございますが、予防接種は流行性の感染症の予防に非常に高い効果があると認識しておりますが、中でもポリオにつきましては、国内では幸いにも年に1~2名しか発生しておりませんけれども、一たん感染すると症状が極めて重く、後遺症があることから、対象者全員が接種すべきものと考えております。今後はいろいろな機会を通じまして、予防接種の啓発に努めて、接種率の向上を図ってまいりたいと思うわけでございます。 「衛生年報」に記載された予防接種率を62年版で削除したのはどうかということでございますが、「衛生年報」に掲載しておる予防接種の接種率については、転入・転出者の異動調整を行っていないために、統計的に厳密な意味の接種率とは若干相違するおそれがあるので削除したものと聞いておりまして、これは他意がないように思っております。 その他につきましては、部長からお答えを申し上げます。 次に、平和教育でございますけれども、過去の侵略戦争の出来事について、かつてどれぐらいに考えておるかということでございますけれども、私は、過去の不幸な出来事の反省の上に立って、今後とも「平和都市宣言」あるいはまた市民憲章の趣旨をよく体しまして、そして平和で豊かな行政を進めてまいりたいと、こういうぐあいに考えております。 また、奥野大臣の発言について御質問がございましたが、国会議員の発言でありますので、国会において討論することが原則であると考え、この場所では、お答えは差し控えたいと存じます。 次に、日の丸・君が代に対する所感でございます。人間形成の基礎となる義務教育の中で、児童・生徒に国旗・国歌を尊重する心を育てることは極めて大切なことである、そのことは前に申したとおりでございますので、重ねてそういうぐあいにお答えを申し上げます。 また、教育に対する干渉でございますけれども、教育に関しては、あくまでも我々は中立を守っていくという、そういう姿勢でございますので、どうぞ御了承をいただきたいと思います。 次に、国民健康保険の問題でございますが、6億 2,000万円の剰余金が出たことは、仰せのとおりでございます。これにつきましては、保険料の抑制や市民生活への影響を考慮いたしまして、2年連続の保険料率を据え置くなど最大限の努力を払ってきておりますが、依然として根強い医療費の増高が見込まれておりまして、今後の医療費の動向等も十分見きわめながら慎重に対処していきたいと思っております。 なお、この国庫補助金につきましては、私がたびたびこの席で申し上げておりますように、国に対しまして少しでも多くの補助金が欲しいと--欲しいと言うと何ですが、補助金をくださることが望ましいということを強く国に働きかけました。そして、補助金等も若干、最初の予想以上に獲得しておるということも御承知をお願いいたしたいと思う次第でございます。 ○議長(北市朗君) 中元生活環境部長。   〔生活環境部長中元好君登壇〕 ◎生活環境部長(中元好君) お答えいたします。 ごみの問題については、私ども一人一人排出者がまず第一に関心を持っていただくことが第一義的な問題だろうと思います。この収集については、市民の協力と理解をいただくことが不可欠であります。ステーションの衛生面も含めて維持管理は町会の皆さんに御協力を願っております。形としては当番制やまた美化推進委員の皆さんによる全面的な協力を願っているというのが現状でございます。 また、一般ごみ収集及び不燃物収集等については月2回行っておりますが、今年度からは40校下について、さらに資源回収を1回行うよう事務を進めております。当面は、職員数とか車両の台数等、物理的な問題も、そういう面に無理もあろうかと思いますので、これ以上収集回数をふやす予定はございません。 以上でございます。
    ○議長(北市朗君) 米尾農林部長。   〔農林部長米尾貞夫君登壇〕 ◎農林部長(米尾貞夫君) 農業問題につきまして、市長答弁を補足させていただきます。 まず、集団農地の保全についてでございますけれども、市街化、農業調整区域を問わず、農地についてはいろいろ問題がございますが、今後さらに効率のよい農地の利用を適切に進めてまいりたいと思っております。 なお、集団転作につきましては、今年度は32.7ヘクタールと昨年度の4倍増と相なりました。今後より一層集団化に努めてまいりたいと思っております。 次に、農産物の価格安定制度につきましては、主要品目につきましては、国並びに県の制度で対応をいたしております。特に本県の制度は、類似県に比べましてきめ細かく運用されておりますので、今後は、その他の品目についても関係団体との連携を保ちながら、制度の積極的な運営に努めてまいりたいと思っております。 3つ目に、野菜の連作問題についてでございますが、現在、砂丘地帯を中心に昨年度より5カ年計画で大根などの土壌診断を実施中でございます。この調査結果を踏まえまして、対策を検討していきたいと思っております。 最後に、優良農地の保全の基本姿勢についてでございますが、本市農業の振興を図る上から当然、優良農地を確保すべきだと考えております。 なお、農業用施設等の転用につきましては、状況を十分考慮の上、対応しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(北市朗君) 細野保健公害部長。   〔保健公害部長細野昇君登壇〕 ◎保健公害部長(細野昇君) 予防接種に係る諸問題についてお答えをいたします。 まず、「衛生年報」に掲載されております接種率の問題でございますが、実は転出入等のいわゆる補整、こういうふうな中身の調整を行っていない、そういうために統計上、若干、厳密な意味で問題がある、こういうふうな指摘があったということで削除した、こういうふうに聞いております。 ただ、年報につきましては、市民がわかりやすいということが最も重要なことの一つでもございますので、適切な掲載方法については考えてみたい、このように考えております。 次に、ポリオワクチンの接種率向上に関してでございます。本年度は第1回目の接種通知に引き続きまして、第2回目の個人通知も行っております。ただ、実績から申し上げますと、決して改善されたという結果を見ておりません。 秋の接種実施、それから市民病院での接種、こういうふうな御提言がございました。秋の接種につきましては、秋の時期は保健所業務が非常に集中する時期でもございます。こういうふうな重要なやはり仕事でございますので、できるだけならやはりきちんと落ちついた時期にやりたい、こういうふうな考え方がございます。 また、病院での問題につきましても、ワクチンの効率的な利用、それからもう1つは、ただいま市民病院が開設されたばかりでもございますので、そういうふうな関係から、十分今後の問題も含めて考えてみたい、こういうふうに思っております。 何はともあれ、ポリオワクチンの接種率向上については、非常に重要な問題でございますので、いろいろ知恵と工夫を考えながら措置をしていきたい、こういうふうに思っております。 次に、新3種混合ワクチン、いわゆるMMRワクチンの件でございます。この件につきましては、予防接種する側から見ますと、非常に結構ないわゆる内容でございます。したがいまして、厚生省においては64年度から導入をしますと、そういうことで準備中ということは聞いておりますが、具体的なまだ指針は参っておりません。したがいまして、国の64年度実施ということが確定いたしますれば、本市においても実施するという方向で積極的に対応していきたいと、このように考えております。 ただ、料金等につきましては、具体的に国の指針がまだ示されておりません。その折、適切な対処をいたしたい、こういうふうに思っております。 以上でございます。 ○議長(北市朗君) 奥教育長。   〔教育長奥清君登壇〕 ◎教育長(奥清君) 8番森尾議員にお答えいたします。 まず、奥野代議士の発言につきまして見解を求められました。市長御答弁のとおり、国会議員の発言でございますので、国会の場において討論されるのが原則であろうと思っておりますので、私の見解は差し控えます。 次に、平和教育について触れられました。世界平和を希求し、人類福祉の実現を図り、国際親善に努めることは国民すべての願いでございます。教育課程の中で平和のとうとさと生命の尊厳を理解させ、平和を守り、平和を築く素地を培うよう、社会科、道徳、特別活動などで取り組んでおります。また、平和を希求する願いはとうといものでございますので、日常生活の場においても生かすことができないか、啓発に努めているところでございます。 国旗・国歌についての見解でございますが、学校教育においては、児童・生徒が将来我が国の有為な形成者となり、国際社会において尊敬される日本人として成長するためにも、自国を愛することのあらわれとして、国旗・国歌を尊重する心を養い、あわせて他国の国旗・国歌をも尊重する態度を育てることが大変大事であろうと考えております。 学校における国旗・国歌の取り扱いにつきましては、指導要領の趣旨に基づきまして、各教科と指導の中で行われております。すなわち、小学校6年社会科の学習の中では、国旗に対する関心や尊敬の態度を育てるよう指示されております。音楽では、国歌を各学年を通して発達段階に即し指導するよう示されております。道徳の時間の指導については、日本人としての自覚、国を愛し、国家の発展に尽くそうとする心を育てる指導が望ましいとされております。特別活動の指導につきましては、国民の祝日などにおいて儀式などを行う場合には、児童・生徒に対し、これらの祝日などの意義を理解させるとともに、国旗を掲揚し、国歌を斉唱させることが望ましいと規定されております。 国旗掲揚及び国歌斉唱について、学習指導要領に基づき適切な指導や取り扱いがなされるよう指導しているのが現状でございますので、御理解を願いたいと思います。 以上でございます。   〔「議長、8番、再質問」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北市朗君) 8番森尾嘉昭君。 ◆8番(森尾嘉昭君) 牛肉・オレンジの輸入自由化問題をめぐって、これに抗議して自殺者まで出るという事態が発生をしていることは、市長も御承知のことかと思います。仮にあなたが農民の心をつかんでいるとしたら、こうした事態をも含めて、あなたは「やむを得ないもの」というふうに事を片づけるおつもりですか。同時に、農産物の自由化についてはやむを得ないとするなら、米の自由化についてもこれは認めるという発言として、あなたは行うつもりなのですか、この点ひとつお聞きしたいと思います。 もう1点、生活環境部長にお伺いしますが、ごみの各戸収集の廃止によって、効率化ということを言っておりますが、この各戸収集の廃止によって職員の削減を考えているのですか、その点、はっきり答弁をお願いしたいと思います。 ○議長(北市朗君) 江川市長。   〔市長江川昇君登壇〕 ◎市長(江川昇君) 牛肉あるいはオレンジの自由化の問題で、さるところで自殺者が出たことは私も承知しております。しかし、それでいいのかということになりますと、決していいことはございません。私は、そういうことがないことが一番望ましいことでございます。 しかし、今日的な立場に立って、世界的に見て、これもやむを得ないかなということを感じておるわけでございますが、米においては、やはり全世界を通じて見ますと米が不足をしている、きょう食う米がなくて餓死をするというところさえ出ておるのが今日でございます。 したがって、そういう点も考えて、世界的に調整ができないものかどうか、そういう点で私は米の即刻自由化ということについては、やや--ややでなしに、相当に考えは違うと思っておりますけれども、これは、今申しましたように、そういう点を考えて処理さるべきものだというぐあいに思っています。   〔「議長、13番」と呼ぶ者あり〕   〔「まだ答弁終わってないよ」と言う者あり〕 ○議長(北市朗君) 中元生活環境部長。   〔生活環境部長中元好君登壇〕 ◎生活環境部長(中元好君) この問題--いわゆる各戸収集を廃止しても、当面、東部清掃工場ができますと、収集体制の見直し、いわゆる車両の配置とか人員の配置、その中で余力があれば--これは私の私見でございますが、現在、最終埋立場の方へは半分から3分の2くらいは可燃物--燃える物が行っていると、そういうものをどこかで分別して、燃えるものは燃やす方へやると、そういう余力があればそういう方へ持っていくと、そういうようなことを相談しようじゃないかということで、従業員の組合との団体交渉等でそういうやりとりをやっております。これはまだ1~2年先のことですけれども、決してそういう従業員を、今、現在の人を首切るとか、減員するとか、そういうようなことは毛頭考えておりません。 以上です。   〔「議長、13番」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北市朗君) 13番升きよみ君。 ◆13番(升きよみ君) 農業から離れてうん十年の市長に申し上げます。 農業問題というのは、日本の食糧の問題であり、日本国民の食糧に係る問題、そして基幹産業の問題です。それゆえ、我が党としてもこの問題については、農業の経験あるなしの問題等ではなく重要視をして臨んでいるわけです。市長にあっては、議会の答弁に当たられても、また執行に当たってもそうした観点にしっかり立たれることを望んでおきます。 答弁不要。 ○議長(北市朗君) 4番的場豊征君。   〔4番的場豊征君登壇〕    (拍手) ◆4番(的場豊征君) 発言の機会を得ましたので、森本地区を主に数点お尋ねします。よろしくお願いいたします。 質問に入ります前に、一言お礼を申し上げます。早いもので、昨年の6月定例会に初めて質問をいたしましてから1年が過ぎました。その間、市民の皆さんには無論のこと、市長さん、市の関係部局の方々、先輩議員の各位には格別の御指導を賜り、厚く御礼申し上げますとともに、今後ともよろしく御指導をお願い申し上げる次第であります。 さて、質問の第1点でございますが、森本地域の実態と森本駅前活性化対策についてであります。森本地区と申しますと、古くより北国街道及び福光往来に沿った金沢の東玄関として歴史的に栄えたところであることは、皆様も御承知のとおりであります。当地域が金沢市に編入されたのが昭和37年でありますから、既に26年が経過したわけであります。旧森本町は、東は富山県と津幡町に境を接し、北部は河北潟に面した広大な面積を擁し、緑豊かな山林地帯や幽玄なる温泉郷、そして水郷森本平野が広がる田園地帯など、本市においてはまだまだ自然が残されている数少ない地域であり、居住環境としては最高の地であると思っております。 しかしながら、本市の南部地域や現在整備中の駅西地区などに比べますと、大規模な宅地造成や企業や工場などの進出もなく、道路網の整備についても若干の立ちおくれがあるため、金沢市の東部地区の核となるべき森本地域が地理的に丘陵が迫っている点を差し引いても、金沢の中でも明るさのない暗いイメージを連想させる地域であるといった印象を与え、空洞化された地域となっていることは否めません。 したがって、森本地域の経済の中心であった森本駅前商店街も、次第にその地位が低下しつつあります。さらに数年後には金沢東部環状道路が完成すれば、現在以上に発展が閉ざされ、ますます日の当たらない商店街となっていくのではないかと危惧され、地元商店街としても、このまま手をこまねいていては、早晩、森本駅前商店街が市民から忘れられた存在となり衰退することが予測されるので、商店街の将来に危機感を抱く有志により、かねてよりその打開策について模索、検討を重ねているところです。 私も、駅前の商店主の一人として活性化対策についての協議に参加してまいりましたが、私としましては、商店街振興対策の最も適切な解決策は、商店街とJR北陸本線の日本海側の地区を結ぶ道路の新設でなかろうかという結論に達しました。JR北陸本線により、森本駅前商店街とその近郊の住宅団地や集落が分断され、さらにそれらの地域に通ずる道路の不備が活性化を阻害している大きな要因の一つと考えられます。 現在の状況について御説明しますと、森本駅前商店街とJR北陸本線、日本海に通ずる道路は3本ありますが、そのうちの1本はJR北陸本線をまたぐ立体交差となってはいますが、幅員狭く、路線バスが通行しても一般の大型バスの通り抜けは禁止されている状態で、あとの2本の道路は、いずれも国道 159号線より入ると、直ちにJR北陸本線の踏切となるため、日中はいつも交通渋滞を余儀なくされ、その影響で絶えず森本駅前商店街まで自動車が連なり、森本中学校や松陵・向陽両高校の自転車で通学する生徒・学生が難渋し、交通事故の発生が懸念されているところです。 このような道路事情でありますので、森本近郊のショッピング動向は、必然的に森本駅前商店街が敬遠され、距離的には遠いが他の地区に流れているといった現況です。 以上述べました理由から、森本地区といたしましては、国道 304号線もしくは森本ミニバイパスと県道蚊爪-森本停車場線弥勒側とを結ぶ道路の実現が、森本商店街に活性化をもたらす最大なものと思います。1本の道路の新設が森本商店街を蘇生させるものと考えています。なお、同新設道路はJR北陸本線を横切ることとなるので、将来のJR北陸新幹線構想も考慮して、横断地下道とするよう格別の御配慮をお願いいたします。 また、この道路の新設とは別に、国道 159号線のJR森本駅前付近の道路の交通渋滞緩和対策として、JR森本駅空き地を利用したミニバイパスの新設もあわせて御検討願えれば、森本駅前商店街の活性化に寄与するところ大であると思いますので、市長の御所見をお聞かせください。 次に、森本地区下水道整備事業促進について質問いたします。市の公共下水道基本計画によれば、森本地区及びその周辺地域の下水道処理は、湊町3丁目地内で建設が予定されている臨海処理場となると伺っています。その後、森本地域下水道の完成は、昭和70年代も後半となるとのことですが、森本地区といたしましては、他地区との格差是正のためにも早期完成を強く希望しております。 市の公共下水道事業については、いましばらくは収支のバランスを見きわめて慎重に対応していくことを基本姿勢とする旨、前回の定例会で市長より御発言がありましたが、公共下水道施設の有無は、地域の発展、活性化と地域住民の生活環境に重大な影響があるところで、臨海処理場の関係で遅延するようであれば、森本方面だけの単独の下水道処理施設の建設について、前向きに御検討をお願いいたします。 なお、立地的に見ても、森本地域の河北潟周辺は遊休農地も多く、かつ人家もまばらな場所であるだけに、処理場の設置には極めて条件的に恵まれていることを申し添えます。 次に、第3点として、住宅政策についてお尋ねします。過日、宅地造成が完了し、目下分譲申し込み受け付け中である金沢湖陽住宅団地は、低価格の分譲であることから、市民より極めて好感を持って迎えられ、金沢市の地価抑制の一助となったことと思います。申し込みの締め切りは今週の24日とのことで、最終的にはどれだけの応募者になるかわはからないと思いますが、聞くところによれば、市民の関心も高く、応募者も多いとのことで、市御当局の御英断に対して心より敬意を表します。 今回の宅地分譲により、市民は割安な土地の取得を渇望していことを痛切に感じております。したがって、第1点の質問の際に述べましたように、居住環境にすぐれた森本地域に湖陽住宅団地形式の住宅団地を造成する計画がないか、現時点で造成予定がないのでしたら、早期に御検討いただくよう要望いたします。 続いて、第4点の質問に移らせていただきます。東部丘陵地開発構想及び新しい工業用地の確保についてお尋ねいたします。 市長は、昨年の12月の市議会におきまして、「東部丘陵地における開発は、森本地域の活性化事業として、また北部地区の開発の立ちおくれを挽回することがその目的の一つであった」と、森本地区を含めた北部地区に対する開発事業の市の基本指針についての御説明をいただきましたが、私は、このときの市長のお考え方について、現在も変更がないものと把握しています。そのような御方針であるならば、開発構想及び工業用地の開発、整備について、継続的な位置づけがあってしかるべきと考えたいのでありますが、いかがでしょうか。今後、庁内プロジェクトによる調査結果並びに北部地区全体の開発計画の見直しに、大きな期待を寄せたいと思っておりますので、差し支えがなければ、現時点での市長の胸のうちをお聞かせ願いたいと存じます。 ともあれ、新しい産業の誘致とそのための受け皿の確保は、市全体の重要課題であると同時に、働ける職場が近くに欲しいという地域住民の期待感は大変大きいものがありますので、引き続きかかる点を十分に御配慮の上、対応されることを切にお願いする次第です。 なお、金沢東部環状道路事業が具体化されていることに関連して、東部丘陵工業団地の候補地であった同地区には、特に見るべき施設や企業がないことから、東部環状道路より取りつけ道路をつくり、将来の計画として同地区に市または県の施設の建設を要望いたします。 また、このたび林野庁のNTT広域森林総合利用基盤整備プロジェクトとして、津幡町の森林公園から七尾市に至る県境スカイライン構想が森林観光ルート開発事業の一つとして計画されているようであります。 本市におきましても、「21世紀“金沢の未来像”」の中で、医王山系の森林資源を活用する医王山ろくレクリエーションエリアの構想が描かれており、この構想を具現化するためにも、この県境スカイライン構想と医王山系を初めとする森本地域と山間部一帯を有機的かつ総合的に結びつける計画を策定され、これにより北部地区の開発に相乗効果を呼ぶことが期待できるものと思うのでありますが、市長の御見解をお伺いいたしたいと存じます。 また、そのために、この県境スカイライン構想の起点を医王山系からとするよう関係機関に働きかけるお考えがおありか、あわせてお伺いいたします。 質問の最後は、公設花卉卸売市場についてであります。もろもろの経緯があって、昨年の11月に開設された公設花卉市場は、徐々にではありますが、所期の目的を達成しつつあるとのことですが、これもひとえに関係者の御努力のたまものであり、深く敬意を表する次第です。 しかしながら、関係者の懸命な努力にもかかわらず、花卉市場の現状は予想以上に厳しいと聞くのであります。発足当初からその運営は極めて厳しいと言われておりましたが、公設花卉卸売市場のこれまでの実績等についてお伺いいたしますとともに、今後の見通しについてもあわせてお尋ねをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(北市朗君) 江川市長。   〔市長江川昇君登壇〕 ◎市長(江川昇君) 4番的場議員の御質問にお答えをいたします。 森本地区中心の話からのことでございましたが、森本地区につきましては、本市の東の玄関に位するものでございまして、私は極めて重要な地位を持っておるということは認識しております。その活性化については、今後、丘陵地の自然を生かした開発、あるいはまた森本駅前周辺の道路網のあり方など、これを十分調査研究してまいりたいと思っております。特に、森本駅周辺の交通の状況あるいは森本駅の地下道の建設、そういったことを考えますときには、あの地区についてはさらに研究をしながら、そうしたことの交通の解消に十分に気をつけなきゃならぬというぐあいに考えております。 それから、森本地区の下水道整備促進でございますが、処理施設を森本地区につくらないかというお尋ねでございます。臨海処理場は、計画どおり68年の稼働開始を目標に準備を進めております。 なお、本市の下水処理場は、国・県との協議の結果、地形的、財政的な見地から、現在計画されておる4つの処理場方式が適当との結論に達しておりまして、森本地区だけの下水処理場を建設することは、財政上その他の点から見ても困難であり、場合によっては、かえってこの稼働が、後になれば森本地区の下水道の敷設がおくれるのじゃないかということを心配をいたしております。 下水道に対する地元要望が強いことも承知しておりまして、しかし、できるだけ早い時期に森本地区に対して下水道を敷設するということには私も極めて深い関心を持って努力をしてまいりたいと思っておるので、御承知を願いたいと思います。 次に、住宅の政策からいたしまして、金沢湖陽住宅団地につきましては、現在分譲の申し込みを受け付けておりまして、その分譲の受け付けがやや予想以上に多いということも承知をいたしております。 御指摘の森本地域に湖陽住宅団地形式の住宅団地は、これをもって現在施行中のものは、あの場所で精いっぱいのところをとったつもりでございまして、あれをさらに拡張するということは困難であると思いますが、次は全市的な視野に立って検討をしていきたいというぐあいに考えております。 工業団地の断念後の丘陵地開発の進捗状況でございますが、工業団地断念につきましては、地元の方々に大変な御迷惑をかけたことを、重ねておわびを申し上げたいと存じますが、新しい工業団地の確保につきましては、先ほど干田議員にお答えしたように、現在、工業用地適地検討委員会、これで鋭意調査の作業を進めておるところでございます。 なお、質問の件に関しまして、本年3月の定例市議会における経済常任委員会の要望事項に、慎重に対処すべしという事項があることを聞いておりますが、交通環境等も踏まえた中で、北部地区も含めた全市市域を対象に総合的に調査、検討を行っているところでありまして、今後とも慎重に対処していきたいと思っておるわけでございます。 東部丘陵開発についての考え方につきましては、東部丘陵開発については、森本地区の活性化事業の一つとしてという考え方に変更はございません。現在、庁内で関係課による開発検討委員会を設けまして、検討中でございます。 次に、東部丘陵地の開発に関しまして、石川・富山両県スカイライン構想と、東部丘陵医王山山ろくを結ぶ計画を策定したらどうかというお話でございますが、御質問の津幡町から七尾市に至る県境スカイラインの構想につきましては、関係市町村及び森林組合、商工会で期成同盟結成方針が固まったというぐあいに聞いております。これは、石川・富山両県にまたがる雄大な構想でありまして、この構想自体を十分に検討調査をするとともに、関係する県、市町村と連絡をとりながら、御提案のこの石川・富山両県のスカイライン構想の策定の可能性について、十分調査研究をいたしていくべきであると思っております。 次に、花卉市場でございますが、公設の花卉卸売市場の現況は、昨年11月開場いたしまして以来、卸売会社などを初め関係業者と市とが協力し合って、産地出荷要請などに努める市場機能の充足に努力しておるところでございます。しかしながら、取り扱い実績では、品ぞろえ等必ずしも十分とは言えなかったわけですが、取扱高は6億 8,500万円と、同期間の予定額をほぼ満たす実績を上げておりまして、順調に推移をいたしておるものと思います。 公設花卉卸売市場の運営については、産地の規模、輸送システムの未整備などの問題もありまして、厳しい一面がございます。しかし、今後とも、卸売会社など関係業者と協力し合いまして、産地への出荷要請を行い、出荷体制の安定化を図るとともに、公正かつ円滑な市場取引に努めまして、魅力ある市場を築き上げたいものだと思っております。 公設花卉卸売市場は、花卉流通の合理化・近代化を図るために設置したものであります。場外の卸売業者に対しても、一体化して入場を期待しておるところでございまして、私は、そういう日の来ることを望んでおりますけれども、現在は、公設花卉卸売市場の健全運営、これを第一に全力を傾けて取り組んでおるところでございますので、何とぞ御了承の上、応援をお願いしたいと思います。            -------------- △休憩 ○議長(北市朗君) この際、暫時休憩いたします。    午前11時48分 休憩            --------------    午後1時4分 再開 △再開 ○議長(北市朗君) 出席議員数は、ただいまのところ40名であります。 これより、休憩前に引き続き会議を開きます。            -------------- △質疑・一般質問(続き) ○議長(北市朗君) 休憩前の議事を継続して、質疑並びに一般質問を続行いたします。 37番山本利夫君。   〔37番山本利夫君登壇〕    (拍手) ◆37番(山本利夫君) 発言の機会を得ましたので、以下数点について質問をいたします。 第1問は、道路位置指定による農道、用水路の位置変更についてであります。昨年5月、三池地域内において、悪徳不動産業者がアパート建設に際し、宅地に接する道路がないために、道路位置指定の申請が必要となり、道路幅員が確保できないため公畔を取り込み、用水路幅員をも縮小すると同時に位置をも変更する計画書が、国有財産の委託管理者である三池生産組合長の名義で申請書が提出されました。工事をもう既に完了しております。完成した道路や用水路を見ますと、アパート建設のための身勝手なもので、用水路の流れが悪くなるなど、地元住民から不平不満が続出し、不動産業者にだまされて迷惑をしているとの申し出がありました。現地調査し、関係当局とも話を進めてまいりましたが、結論が得られず、国有財産の管理責任者の県当局とも話し合ってきました。以下、数点についてお尋ねをいたします。 第1点は、農道、用水路敷は県が管理し、地元生産者に保全のめたの維持を委嘱しているものであり、特に用水路の位置変更については、生産組合長の承認事項でなく、権利者が多岐にわたることがあり、用水路管理組合長の承諾書を添付し、市農林部土地改良課及び土木部河川課を経由し、石川県金沢土木事務所において県知事の承認事項となっております。今回、建築指導課で受理し工事着工の承認を与えた件について、農林部は関与していたのか、また諸手続に誤りがないのか、農林部長にお尋ねをいたします。 第2点は、この地域は昭和50年に地籍調査が完了しており、公図も整理済みであり、農道、用水路の幅員と位置の変更について、知事の未承認でも法務局に公図変更の申請ができますか、農林部長にお尋ねをいたします。 第3点は、用水路の幅員の縮小により、降雨時の容量の確保ができず、溢水のおそれと農道に従来より建柱されていた電柱が道路の真ん中となり移設が困難なため、交通安全対策上問題であり、さらに用水路が極端な鋭角に折れ曲がっているために、自然流通に支障を来し土砂が堆積されるなど、以上3点の理由から、地域住民は工事以前の形状に復元の強い要望がありますが、復元命令書を工事施工業者へ命じる意思があるのか、都市建設部長の所見をお伺いいたします。 最後に、市長に所見を求めるものでありますが、最近、建設・土木工事で業者と癒着しているとの風評をされているときに、今回の道路位置指定については、法を逸脱して関係業者に手心を加えて便宜供与をしているのではないかと疑われるなど、不信を抱く事件が相次いで起こっております。もし事実なら大変な問題でありますが、最高責任者の市長としての所信をお聞かせ願いたいと思います。 第2問は、国民健康保険特別会計についてお尋ねをいたします。退職者医療制度の創設に伴う悪影響額が、昭和59年、60年の両年度分として5億 4,100万円が昭和61年度に一般会計から繰り入れをいたしました。このことについて、本年の定例第1回市議会で、市長は、「国の補填をまって一般会計に返還すべきものでありますが、62年度の保険料の抑制財源として本年度も引き続き充当したい」と述べておりますが、昭和62年度の決算見込み書では、財政調整交付金が予算額8億 3,600万円に対し、決算額では16億 7,900万円で、8億 4,300万円増の交付となりました。その結果、4億 5,000万円の黒字決算と、うれしい大誤算となりましたが、市長は今でも一般会計に返還する考えはないのですか。今日まで空財源の財政調整金を充当してきた経過からみて、理屈に合わない施策と思いますが、いかがなものでしょうか。 第2点は、国は、昭和62年度の補正予算で、退職者医療制度の創設に伴う地方財政への影響額全額を補填する措置をすると言われており、第1回定例議会の会期中にはほぼ確定していたと思いますが、財政当局の情勢の把握に甘さがあったのではないでしょうか。 第3点は、今回の補填には市長を先頭に執行部の皆さんの努力の結果であることは理解をしていますが、私たち市議会も政府に対し強力に働きかけてきた経緯を認めていただき、補填のめどがついた段階で、議会に何らの報告もなく今日に至っておりますが、不都合なことでもあるのですか、お尋ねをいたします。 第4点は、61年度の決算書では財政調整交付金は18億 3,400万円で、62年度の予算書では8億 3,600万円と、前年度に比較して10億円も過小に計上したことに問題があります。財政調整交付金は的確に把握することの困難性は理解しますが、結果的に62年度の予算額の2倍の決算額となり、その差が余りにも大きく、いま少し配慮が足らないと思います。63年度の予算額では14億 6,200万円が計上されており、なぜ62年度だけが極端に低額の歳入不足を見込んだことは、把握の困難性といっても一貫性が欠けており、このことが保険料の値上げに影響を与えることは明白であります。慎重さに欠けると追及されてもいたし方がないと思いますが、市長並びに財務部長の答弁をお願いいたします。 第3問は、湖陽住宅の分譲についてお尋ねをいたします。当市の宅地分譲は緑団地以来10数年ぶりで、市民は首を長くして待ち望んでおりました。最近の土地ブームによって土地の値上がりが新聞やテレビで報道されておりますが、今回は市民の要望にこたえて、坪当たり平均15万 2,000円で、二度と手に入れることのできない安い宅地分譲となりました。また、生活環境も、道路の幅員は6メートルないし13メートルで、公園緑地が設けられており、上水道、下水道、ガスなども完備され、至れり尽くせりの団地なっております。今月の4日から現地案内が始まり、15日から申し込みを受け付けしましたが、新聞やテレビも報道しましたが、ある区画では10人も申し込む盛況と言われております。 私は、現地を2回も見てきましたが、驚いたことは、立地条件のよいところのほとんどは特定分譲となっております。不思議に思ったのは私だけでなく、見にきている人たちの不満の声の多いのに驚きました。また、ある人が、「親戚の土地提供者に頼んで確保してもらったのがこの土地」と自慢げに他人に話している人がいて、一層の険悪な雰囲気でありました。 このことについて、私も含め我が党の議員にも多くの不満の声や問い合わせの電話がありましたので、以下数点について質問をいたします。 第1点は、特定分譲した人は、「地権者の三親等の親族まで特権を与えることを認めた契約となっている」と述べておりますが、契約書には全く記載されておらず、口約束事項であり、有効価値は法的には存在しないと思います。また、公共事業に対する譲渡者として 1,500万円までの所得税の減免が適用されており、税法上からも疑いがあります。例えば、金沢大学移転に伴う土地提供者及び親族者から、大学の条件入学を認めることと同じではないでしょうか。公共事業では許される問題ではないと思いますが、見解をお尋ねいたします。 第2点は、特定分譲が余りにも多いことです。通常は、地権者のみに限定し、約1%程度であり、今回の場合は3~4名が限度で、また希望地番を認めることは言語道断であります。善処の有無についてお尋ねをいたします。 第3点は、現時点では幸いにも契約が完了していないことであり、本人から辞退を申し出るよう説得しなければ、成り行きを見守る市民に対して不信と汚点を残すことになります。 以上3点について、市長の答弁をお願いいたします。 質問の第4問は、労働時間の短縮による週休2日制と土曜日の閉庁導入についてお尋ねをいたします。日本の輸出主導型から内需拡大型へと経済調整を行うことが国際的な大きな課題となっております。そのためには、中小企業も含めて、社会全体が週休2日制を定着させることが目的であります。しかも、週休2日制を完全に実施しても米国、西ドイツ、英国など29カ国では週32時間から40時間労働を実施しており、まだまだ立ちおくれております。このような状態を率直に認めた政府は、5月31日、週休2日制閉庁問題関係会議を開催し、「国の行政機関については、第2、第4土曜日を原則として閉庁とする。ただし、病院などは閉庁せず別途検討するなど、来年1月から実施の方針を固め、7月召集する臨時国会で閉庁導入を定める法案を提出する」と述べ、地方自治体にも法的措置を講じて積極的に導入を促すとの方針が出されました。また、本年8月予定の人事院勧告でも勧告に踏み切ることは確実であります。 このような社会情勢を踏まえ、今回の都道府県及び地方自治体の多くが移行されることが想定されます。当市は、本年3月、定例第1回市議会で4週6休制の本格実施のための条例を制定し、石川県内市町村に先駆けて実施に踏み切りました。しかし、今回の土曜日の閉庁は、住民と密接した窓口業務が多いだけに、住民に理解を得ながら地域の実情に応じた対応が必要であると考えられます。江川市長、土曜日閉庁は時代の流れであり、避けて通ることのできない問題であります。早急に検討委員会を設置し、職員の期待にこたえるべきだと思いますが、市長の所信をお伺いいたします。 質問の第5問は、不燃物のごみ対策について質問をいたします。昨年の定例第3回市議会で、私が、戸室新保埋立場が産業廃棄物の搬入が年々増加し、そのために使用年数が大幅に短縮を余儀なくされております。産業廃棄物の監督責任を負うべき県に対し、他の府県と同様に設置を求めるよう強く働きかけるべきと提案しましたが、その後の経過及び見通しについて、どうなっておりますかお尋ねをいたします。 第2点は、その解消策の一手段として、資源の再利用ができるものについては、月1回、資源回収日を設定して推進してまいりました。このことは、まことに結構な試みでありますが、余りにも強制的で一方的な行政指導となっております。本年6月から実施する16校下についての説明会を2月末日から各町会長、婦人部長を招集し、実施を前提に分別収集の方法等を説明し、実施計画の変更には全く応じない一方的な通告の会議でありました。 各町会に持ち帰り、住民に対して周知、啓蒙や受け皿の準備期間がわずか3カ月という、全く理解のできない施策であります。旧市街地ならともかく、新興住宅地では近隣者とのつき合いも少なく、コミュニケーションの難しい地域では少なくとも1年間ぐらいの周知期間を設けるべきであります。 しかも、生活環境部では、61年度から5年計画で不燃物の回収曜日に応じ、実施年を決め、年々拡大し、昭和65年には全市で実施する計画であります。決定後直ちに市民に提示し、了解が得られるよう息の長い啓蒙と周知を図る努力が必要であります。 受け入れを決定しても、集積場所の増設や施設の購入、特に大切なことは主婦の協力が必要であり、共稼ぎの家庭の多い地域では、一部の人たちやお年寄りにしわ寄せにならないようボランティア活動ともあわせて実施しないと、立派な活動でも、長い月日には苦情からのひずみを生じかねないのが現状であることを申し添えておきます。 第4点は、分別収集によって得た売上金は還元すると述べておりますが、現行方式では末端町会まで還元せず、資源回収のために施設増の設置費などの負担増となり、対応に苦慮しており、配分について改善する必要がありますが、その意思の有無についてお尋ねをいたします。 第5点は、都市計画道路の工事や下水道工事等によって道路の通行不能が生じる地域については除外するなど、状況に応じた対応策が全くない現状について、どう考えているのですか。 以上の問題点について、市長並びに生活環境部長にお尋ねをいたします。 質問の第6問は、過密校の解消と通学区域の変更について質問をいたします。 第1点は、中学校の過密解消を目的に、最近では港、北鳴中学校を新設し、来年4月開校を目途に畝田中学校の建設を進めておりますが、泉、野田、高尾台、高岡、兼六中学校の5校は過密校となっております。昭和61年度をピークに生徒の総数は減少しつつありますが、郊外に立地するさきの5校は、年々の社会増のために過密解消のめどが立たない現状であります。このために、野田、泉、高尾台中学校の通学区域内に1校、高岡中学校分割のための1校を新設する必要があると考えられますが、どうでしょうか。 第2点は、兼六中学校の解消策であります。北鳴中学校の開校によって、鳴和中学校の教室に余裕ができ、現在、小将町中学校に通学している馬場小学校の児童を浅野川以北で地理的にも隣接している鳴和中学校に、小将町中学校と同地域に立地する味噌蔵小学校の児童を兼六中学校から小将町に変更することによって通学距離が短縮し、交通安全対策上からも最適な措置であります。これによって、兼六中学校の過密解消が図られる一石二鳥の最善策と思います。兼六中学校の周辺の地域は、鈴見・若松地区の区画整理事業による住宅地、として人口増が見込まれますが、兼六中学校の当面の社会増に対応するためには欠くことのできない施策と思われます。教育長の所見をお伺いいたします。 第3点は、小学校の生徒数が減少して過疎に、また反対に社会増で増加して過密となった学校が隣り合わせで混在し、互いに教育効果の低下を招くと悩んでいる先生が多いと聞いております。この欠陥を解消するために、通学区域の抜本的な改革を行う以外には方策がなく、また、その時期に来ておると思われます。私も長年小中学校通学区域審議委員を務めさせていただいておりますが、審議内容は、新設校の開校に伴う通学区域の分割・統合の議題のみで、周辺地域の通学距離の遠近等を考慮して、既設校からの分割・統合には全く触れずに、該当校の父兄の要望のみで対応し、時には審議会の答申をも左右してきました。この原因は、他都市に比べ校下意識が強いことだと思います。通学区域の再編成には、過去の経緯にこだわることがなく、戦後6・3・3制実施以来の大改革を各界各層の代表者によって大局的な見地から意見を求め、実施すべきと思いますが、市長並びに教育長の所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(北市朗君) 江川市長。   〔市長江川昇君登壇〕 ◎市長(江川昇君) 37番山本議員の御質問にお答えいたしたいと思いますが、まず、この不良工事等の不信を持っておる者があるじゃないかというような御質問でございました。 そのうちに、農林関係あるいは都市建設関係につきましては、それぞれの部長からお答えをいたしますが、総体といたしまして、こういうことが疑われる、あるいはまたとやかく言われるということが絶対にないようにしたいと思うわけでございますが、三池町の件につきましては、いろいろ御心配をかけまして、まことに申しわけないと思っております。 私は、市民の負託を受けまして市政を担当する者といたしまして、常々遺漏の生じないように、市内部はもちろん、業界に対しても指導、指示をしておるところであります。特に、法規に触れる事実に対しては厳正に臨みまして、再発防止に努める所存でございます。三池町の問題は、慎重に検討いたしますので、この点を御了承いただきたいと思います。 次に、国民健康保険の財政でございますが、剰余金を一般会計へ返還する考えはないかというお尋ねでございます。剰余金が生じた主なる理由は、1つには、国の財政調整交付金の増額獲得に懸命の努力を重ねた結果による大幅な増収と、2つには、医療費の自然増が予想を2%程度下回ったことによるものであると思います。しかしながら、不確定要素の多い国からの財政調整交付金、医療費の自然増などを考慮いたしまして、今直ちに国保財政安定化のために一般会計への返還はしないことといたしたいと思います。 国の財政調整交付金は、年度末にも決定することが通例でございます。62年度にも3月31日に通知を受けたものでありまして、各位の御了承を願いたいと思いますが、各位の御尽力には我々常に感謝しておるものでございますが、特に本件につきましては、特別な御協力をいただきましたことにつきまして、深くお礼を申し上げます。 今後は、委員会等を通じまして、適時に御報告を申し上げたいと存じます。 金沢市湖陽住宅団地の件でございます。特定分譲は、用地の取得交渉過程における地権者の強い要望によって認めたものでありますが、その申し込み資格は、用地提供者の三親等内の者に限定をいたしまして、また、分譲区画についても、角地は3分の1以内に抑制したものでございます。 市が積極的に造成した団地であり、用地費も低廉な価格で父祖伝来の土地を提供していただいたことでもあります。これらを勘案いたしまして、市の裁量として決めたものでありまして、何とぞ深い御理解を賜りたいと思います。 なお、分譲申し込み受け付け、あるいは公開抽選等の事務執行については、特に留意をいたしました。そして、公平、中立かつ厳正に事に当たってまいる所存でございます。 土曜日の閉庁でございますが、当面、人事院勧告や国・県その他各都市の動向等をにらみながら、また市役所という特別な仕事を持っておる役所であることを考えて、庁内で十分研究をし、またほかの意見も聞いてまいりたいと、こういうぐあいに考えております。 分別収集でございますが、産業廃棄物の広域行政のあり方につきましては、かねてから石川県に対しまして、いろいろと働きかけてまいりましたが、本年4月の県内市長会にもこのことを提起をいたしまして、産業廃棄物処理場の建設を強く要望してきたところでございます。 なお、今後とも、あらゆる機会をとらえて積極的に働きかけていきたいというぐあいに考えております。 資源の回収でございますが、回収については、昭和60年度から実施しておりまして、今年度は対象世帯58%を目途に事業を進めております。廃棄物収集業務は市民の協力が不可欠なものであります。他都市の状況も、決してこれは例外ではございません。種々、地域によって問題点もございましょうが、一層の協力を得ながら、また住民に趣旨をよく説明を加えまして、御理解をいただくようにしたいと思っておるわけでございます。 また、回収のこの還元でございますけれども、これにつきましては、場所によってまちまちなところがございます。そういう点を一遍調査をいたしました上で、さらに改善すべきところは改善していきたいと思いますし、通行不能の場所をどうするのかという、こういう点もあわせて、実際の調査をいたしたいと思います。 それから、教育委員会の所管でございますけれども、通学区域の再編成、そうした問題につきましては、相当詳しく御説明がございましたが、これにつきましては、教育長からお答えをいたしますが、何分にもいろいろと通学区域の変更等については、皆さんに御迷惑を相かけておりますけれども、この点については、委員会の結論、そういったものをまった上で善処をいたしてまいりたいと思っております。 ○議長(北市朗君) 米尾農林部長。   〔農林部長米尾貞夫君登壇〕 ◎農林部長(米尾貞夫君) 37番山本議員にお答えいたします。 道路位置指定についてのお尋ねでありますが、用水路の位置変更の手続につき、農林部が関与していたかにつきましては、農林部におきまして関与いたしておりませんでしたので、御承知願いたい。 また、諸手続に誤りがなかったかにつきましては、御指摘のとおり、関係部課の手続が必要であったかと思われます。 次に、知事の未承認でも公図変更ができるかのお尋ねでございますが、位置指定申請者が知事の承認を得て法務局に公図修正の手続をすることになっておりますので、御承知願います。 以上でございます。 ○議長(北市朗君) 油屋都市建設部長。   〔都市建設部長油屋賢三君登壇〕 ◎都市建設部長(油屋賢三君) 三池町の道路位置指定の件について、お答えいたします。 今回の三池町の道路位置指定につきましては手続を含めまして、その処理に至らざる点のあったことを強く反省をいたしております。今後は、こうしたことのないよう事務処理に万全を期してまいりたいと考えております。 原状回復につきましては、地元の事情をも十分踏まえ、慎重に検討すべきものと考えておりますので、深い御理解を賜りたいと思います。 なお、御指摘の事項につきましては、遺憾のないよう適切に指導をいたしてまいりたいと考えております。御了承賜りたいと思います。 以上でございます。 ○議長(北市朗君) 柴田財務部長。   〔財務部長柴田豊君登壇〕 ◎財務部長(柴田豊君) 退職者医療制度創設に伴います国の補填措置に対する見通しでございますが、その影響額につきましては、厚生省と中央団体との間に大幅な数値の乖離がございまして、最終補正予算編成時での見込みが正確に立たなかったことを御理解願いたいと存じます。 また、国の財政調整交付金の予算計上についてでございますが、国は60年度までは退職者医療制度に伴う影響分を財政調整交付金の中で明示してございましたが、61年度からは新しい配分方法に変わったものでございまして、この中に普通調整交付金、特別調整交付金、また退職者医療制度にかかわる影響分など、どれくらいが補填されているか捕捉できなかったのでございます。 したがいまして、62年度当初予算編成では、退職者医療制度に伴う補填分は計上できない状況にあったものでございます。 翻って、63年度は、新しい配分方法となりました61年度からの実績と国家予算の伸び率等を基本的に考えまして、予算計上いたしたところでございまして、御了解を賜りたいと存じます。 なお、調整交付金等の把握には、今後とも一層の努力を重ねてまいりたいと思っております。 以上です。 ○議長(北市朗君) 中元生活環境部長。   〔生活環境部長中元好君登壇〕 ◎生活環境部長(中元好君) 資源回収地域にとって、どうしても実施時期について検討を要するところがあれば、後日、個々に町会の方々の御意見をお聞きし、適切に対応したいと存じております。 以上です。 ○議長(北市朗君) 奥教育長。   〔教育長奥清君登壇〕 ◎教育長(奥清君) 通学区域の再編成について質問がございました。 南部地区にあります規模の大きい中学校の適正化につきましては、新設1校を考えております。現在、泉本町地内におきまして、用地確保を図りたく交渉を進めているところでございます。 高岡中学校も、御指摘のとおり、分割を望むものでございますが、同地区で用地を確保することは極めて困難な現状でございます。また、兼六中学校区も、周辺地域の発展に伴い、社会増による生徒の増加を考えておかなければなりません。 こうした諸種の事情を踏まえまして、本市中学校通学区域の検討が必要であろうと考えまして、本年度予算に中学校通学区域調査費を計上してございます。通学区域を見直しすることによって、学校規模の適正化を図ることができないか、まず調査いたします。その結果を通学区域審議委員会に提示し、御意見をいただき検討いたしたいと考えております。 以上でございます。   〔「議長、37番」と呼ぶ者あり〕 ○議長(北市朗君) 37番山本利夫君。 ◆37番(山本利夫君) 今、生活環境部長からお答えを聞いたわけでありますが、「各町会の意見を聞きながら対処したい」ということを述べておりますが、校下の説明会では、既に実施をするということで一方的な考え方で変更する余地はない、こういう答弁だったのが、今のお答えと大変違うわけでありますが、いつの時点にこういう変更があったのか、明らかにしていただきたいと思います。 第2点は、市長はよく説明をしてと、こう書いて地元の協力を得たいということですが、部長にお尋ねしますが、よく説明をして協力を得たいのは二月や三月でできるのかどうかと、そういう泥縄式ではできないと、こう思いますので、その点の考え方を明らかにしていただきたいと思います。 それから、64年以降、まだ2年間今後やっていかなけりゃいけないわけですが、一日も早く64年度のまま、ことしからもう既に説明をして十分地元の協力が得られるように、二月や三月でなくて64年度以降の分は手回しのよいように、早急に実施するべきだと思いますが、いかがでしょうか。 最後に、「資源再利用」というにしきの旗のもとに、生活環境部のきょうまで行ってきた施策は、戦前の下達方式で、何が何でもやれという、まるでファッショ的な行政であります。 私たちは、金沢市民が本当に資源を愛して、気持ちよく市の政策に対して受け入れをしながら協力をする体制をつくるのが、やはり行政者としての任務ではないかと思います。 そういう立場で、生活環境部長にお答えをしていただきたいのですが、先ほどの私見ではなくて、部長としての答弁を求めます。 ○議長(北市朗君) 江川市長。   〔市長江川昇君登壇〕 ◎市長(江川昇君) 部長の答弁を強く求められておりますけれども、部長の考えも私の考えもそう--そうじゃなしに、根本的に違うわけではございませんので、私からお答えすることをお許しを願いたいと思います。 まず、資源の再利用につきまして、非常に関係者が強力にやりまして、何か戦前のような物事を取り計らうような強い形であったという、それでございますけれども、これは、私は、恐らく中間に立つ方が非常に熱心な方で、何とかして役所に協力をしようという一念から、あるいは言葉にあるいは行動等において熱心さが出過ぎたのじゃないかと思うので、その点はひとつ御了承を願いたいと思います。 そこで、変更はいつ変わったのかと、これは別にいつ変わったというものではございませんが、しかし、私の考えは、今直ちにやるというわけではございません。やはりその辺、世話する方々あるいはまた関係する人々の御意見を十分聞きながら、強引にこれを執行するということでなしに、日にちを置いてひとつ実行するように御相談を申し上げたいと、そういうぐあいにお願いしたいと思います。 そういうような事情でございますので、何とぞその辺は了とされまして、よろしくお願いいたします。 ○議長(北市朗君) 10番本間勝美君。   〔10番本間勝美君登壇〕    (拍手) ◆10番(本間勝美君) 私は、公明党市議団の一員として、福祉問題など数点にわたりお尋ねします。市長並びに関係部長の答弁をよろしくお願いします。 質問の第1は、福祉、高齢化社会の対応についてであります。人生80年時代という高齢化社会を迎え、国民の多くが老後の不安を感じていると言われています。日本世論調査会が昨年実施した調査によれば、6割近い人が老後の不安を感じていて、特に高齢化がピークとなる21世紀初めに老人の仲間入りをする40、50代では、いずれも64%の人が何らかの不安を持っていたのが注目されます。 中でも、具体的な不安としては、まず健康問題が他の不安理由を大きく引き離してトップを占め、次いで「働く場が保障されていない」、「財産や貯蓄がない」、「老人ホームなど福祉施設が少ない」等が続いております。また、国や地方自治体には医療制度、公的年金の充実など、健康と生活の保障を期待する意見が目立ちました。寝たきり老人や痴呆性老人の家庭での介護については、「できる」、「何とかできるだろう」との意見が半数を占め、できるだけ家庭で家族と一緒に暮らしたいという気持ちから、我が国では在宅介護が大きなウエートを占めそうだと見ているようであります。しかし、その一方において、介護の主な担い手となっている女性は、寝たきり老人収容施設の充実を訴える声も強く、急速に進む高齢化の中で、社会の対応や制度の立ちおくれが浮き彫りにされたとも指摘しています。 人はだれしも健康でいつまでも若々しくありたいと願っています。スポーツや食療法など、時代とともにますます盛んとなるのも当然のような気がしますが、やはり不断の努力が最も大切のようであります。いつも壮健で激務をこなしておられる江川市長の健康法をひとつ後学のためにお聞かせ願います。 質問の第1は、寝たきり老人と痴呆性老人等の福祉施設の拡充についてであります。昭和90年には痴呆性老人が 185万人と、現在の3倍以上になると予測されています。痴呆性老人や寝たきり老人を抱える家庭は大変なものであり、とりわけ介護に当たる婦人の苦労は並みのものではないようであります。 私も、つい最近、痴呆性老人を抱え悩んでおられる方の相談を受け、訪問してみて悩みの深刻さに驚きました。そこのおじいちゃんは、目が失明同然で、その上、耳が遠く、家族との対話もままならない状態で、最近日増しに猜疑心が強くなり、介護に当たるお嫁さんを信じようとせず、食事の後には「みそ汁に毒を入れた」とか、酒を出せば「酒に毒が入っていた」と言っては吐き出す始末で、部屋のものは一切手を触れさせず、少しでも置物の位置が変わっていれば「盗みに入った」と言っては大声でどなり散らすありさまで、家族はほとほと介護に疲れ果てて思い悩んでの相談でありました。私がおじいちゃんに会ったときも、案の定、「けさの飯に毒が入っていて腹ぐあいがおかしい。このままでは殺される。警察に行くから同行してくれ」と頼むのです。早速、県の精神保健センターで診察を受けさせたところ、精神には異常なく、老人特有の猜疑心からくる痴呆性、老人ぼけであるとの診断でした。息子さんとも相談の結果、施設入所を希望されましたが、この種の施設が少なく、どこも満員で順番を待たなければならず、入所のめども立たない状態でありました。本人にとっても家族にとっても家庭介護が望ましいとは思いますが、それでもなお限界があることを痛いほど見せつけられる思いでありました。 寝たきり老人等のホームヘルパーやデー・ケア施設などの充実には努力されていることは認めるものの、なお一層のこの種の入所施設の拡充が急務であります。今後の対応をお伺いいたします。 2つ目は、高齢者雇用対策についてであります。さきの調査では、不安の第2位に老後の働く場が保障されていないことに対する心配が挙げられていましたが、別の調査で、総理府が昨年行ったデータでは、60代はまだ働き盛りであり、「60歳を過ぎて仕事をしたい」と答えた人は6割を超え、男性に限ると77.6%にも達したとのことであります。その場合、仕事の内容と収入のあり方は、「収入より内容が大切」と答えた人が72.6%に上っています。ちなみに70歳以上になると、「家族とのんびり気ままな生活」が41.2%とふえ、「仕事」は 5.9%に減っています。定年の後の10年間もやりがいのある仕事をして、70歳でのんびりとした暮らしが老後の理想であるようであります。 しかし、現況は大変厳しく、退職前は会社にあって有能な人も、定年後はなれない仕事に甘んじながら、仕事につけるだけましといった実情ではないでしょうか。消費生活の高度化等に対応したサービス産業部門の拡大、産業用ロボット化の進行する情勢の中で、高齢者の能力開発を進めるとともに、長年の経験で得た知識と判断力、優秀な技能を積極的に生かす職域の拡大が必要でありますが、本市における高齢者雇用の実態と今後の職域拡大対策について、どのように取り組んでいかれるのか、市長の御所見をお伺いします。 質問の3は、高齢者伝統職人の活用についてであります。近代化の中で、有能な技術を持つ伝統職人がその職を失いつつありますが、再びみずからの職人術を生かしつつ、新たな産業振興を図る異業種職人グループ工房の結成についてであります。これは62年定例第1回でも取り上げた問題でありますが、再度提案いたしたいと思います。 この考えは、ある学者がシンポジウムで提言されたものでありますが、それぞれ職種の異なった職人数名でチームを組み、職人集団工房をつくり優秀なわざを突き合わせて家具、民芸品、装飾品等新たな商品開発に取り組み、一品一品が手づくりで本物、高品質、少量生産、多品目そして高価値の作品をつくり出すシステムであります。イタリアのボロニア地方で起こった職域拡大の運動でありますが、近代産業の軽薄短小、多量生産、ローコストにより、そして安くて使い捨て消費経済の逆発想とも言うもので、それまで近代化の中で職を失いつつあった伝統職人に働きかけて製作していった結果、本物志向の人々の人気となり、イタリア国内はもとよりヨーロッパ各国から注文が殺到し、新しい産業振興として注目されているというものです。そして、日本でそれができるのは、長く培われた高レベルの優秀な伝統職人のおる金沢であると提言されています。高齢者伝統職人の雇用促進、地場産業振興の一石二鳥と考えます。 市長は、前回の質問に対して、「卯辰山にできる加賀藩細工所等にも高齢者職人の技能を活用することも一つの方策と考え、生きがい対策ともあわせ検討する」と答弁されましたが、その後どのように取り組んでおられるのか、より積極的な働きかけを求め、市長の御所見をお伺いします。 次に、独居老人下宿制度の創設についてであります。この問題も、59年第3回議会で取り上げているものでありますが、高齢化社会、核家族の進む中で、ひとり暮らし老人は今後も増加するものと予測されます。独居老人の場合、金銭的にも恵まれない人が多く、市営住宅を希望するが、その枠は狭く、生活費を切り詰めての民間アパート住まいとなっています。それだけに、住環境は決して良好と言えるものではありません。働きながら自炊生活をされている男性の場合には殊さらであります。 そこで、炊事、洗濯、娯楽室等を備えた独居老人下宿制度の創設が必要であると思うのであります。この際、県が打ち出した独居老人信託型住宅構想についても、市としてどのように対応されるのか、あわせお伺いします。 次に、身障者介護と雇用の充実についてであります。厚生省の実態調査によると、在宅の18歳以上の身障者は約 241万人、このうち65歳以上の高齢者が44%を占め、日常生活で介護を必要とする人が、7年前の前回調査に比べ増加している。とりわけ食事、入浴、トイレ等全面的介護を要する人は9万 5,000人で、前回より4割もふえていて、現在の介護者は家族が8割で、隣人、雇い人、ボランティアの比率が前回と比べ急速に高まってはいるが、まだまだ微々たるもので、ヘルパー派遣など自治体の公的な介護能力の向上を軸として、隣人、ボランティアを含めた地域介護力の増強の必要が言われています。 市長は、当初議会において総合福祉サービス調整会議の説明をされ、福祉と保健、医療の実務的な連携を図るため、各関係の代表者並びに地域団体の代表者を交えて構成する老人・身障者在宅福祉充実の地域ネットワークづくりの考えを示されました。在宅型福祉充実への積極的な取り組みと評価いたしますが、老人問題でも述べましたように、福祉入所施設の拡充も必要であり、その点でどのように対処されるのか、いま一度具体的に説明をいただきたいと思います。 また、身障者雇用の現実は大変に厳しく、厚生省の調査では身障者の就業は全国で70万人で、前回に比べ実数では6万人余り増加しているものの、就業率は29%と前回より 3.3ポイント下回り、殊に中学、高校を卒業した身障者のうち61.3%は行き場がなく自宅にとどまっている実情とのことであります。雇用を提供できるのは主として企業であり、企業側の一層の努力が待たれますが、本市関係企業において、身障者雇用の法定雇用率の達成にはまだ至っていないようでありますが、産業界の雇用ニーズにあわせた身障者の職業能力の開発、訓練などきめ細かな行政側のバックアップも不可欠であります。最近のOA化の進展に即応したOA関連職種などは、身障者雇用の決め手となるのではないかと思いますが、今後の取り組みについて、関係部長の答弁を得たいと思います。 質問の第2は、留学生問題でありますが、在日留学生に対して、奨学金制度は文部省がごく一部の人に行っている以外はほとんどなく、21世紀初頭まで10万人留学生の受け入れを目指す政府の意向とは裏腹に、アメリカなど先進諸国に比べ、その対応の立ちおくれが目立っております。その中で兵庫県、横浜、武蔵野市などで留学生への援助を決定し予算化していますが、全体的には経済大国とは名ばかりの感がいたすところであります。 北陸3県では、ここ数年、アジア諸国を中心に外国人留学生が急増していて、本市金沢にも 122人在住しております。これら留学生を取り巻く環境は厳しく、ほとんどが私費留学生で、何も持っていない、布団上下と毛布1枚だけで、勉強する机すらない留学生もいるそうであります。新聞配達やラーメン屋の店員、臨時雇いの軽作業などアルバイト探しも難しい状況の中での耐乏生活であります。また、彼らは、睡眠時間を削って燃えるような向学心で一生懸命勉学・研究に励んでいるとのことです。ある民間ボランティア団体の方が、「国へ帰れば指導者となる人たちばかり、日本が、金沢がよいところだったと思い出してもらえれば、こんなうれしいことはない、そう思ってやっている。国や県、そして市民のみんなの応援も欲しい」と語っております。より多くの市民の善意の支援を期待するものの、それにはおのずと限界があります。 行政として、国に働きかけを行うとともに、本市として今何ができるのか、積極的に踏み込んだ対応を求めたいと思います。例えば生活費援助、図書援助、住居援助、医療・予防検診等々具体的に視点を絞って検討することで、今何ができるのか見えてくるのではないでしょうか。国際交流に格段の熱意を持っておられる江川市長の温かい答弁を得たいと思います。 質問の第3は、雪対策についてであります。今冬は幸いにして雪が少なく、一時、多雪都市の苦労も忘れる感じでありましたが、気を緩めることなく備えは常に万全を期すことは申すまでもありません。 本市は、地下水低下を招く消融雪の限界から、今日まで河川水利用の研究、試験実施に積極的に取り組まれ、実用普及に至っております。その点で、専門研究されている学者先生初め、関係者の御努力に対して感謝の念を強くいたしておるものであります。 第1点は、蛤坂の河川水利用散水式消雪装置の効果についてであります。今冬初めての試みとして野町の蛤坂に河川水利用の散水式消雪施設が設置されましたが、何分にも雪不足ゆえに、その成否を論ずるに資料不足とは思いますが、坂道対策として有望視、期待が大きいだけに、その効果のほどを知りたいのであります。 河川水利用の散水式の場合、砂やごみの目詰まりや水温の低いことなどが難点と言われていますが、それらがクリアされ、今後各所の坂道に設置可能であるのかどうかお伺いします。 次に、建設省が提案している雁木の回廊についてであります。新潟県高田市等、多雪都市の歩道の雪よけに、伝統的施設としてあった「雁木」や「こみせ」と言われるものが、急速な都市化で姿を消しつつあることから、このほど建設省が現代風にアレンジしたアーケード形式に変えて雪よけ回廊を積極的に整備し、雪国の都市計画を進めるとのことでありますが、本市でも一部商店街のアーケードはあるものの、雪よけ歩道を確保する視点から、いま一度トータル的に見る必要があるのではないでしょうか。 香林坊 109から名鉄丸越、そして六枚町、逆に野町、広小路、寺町台へと計画的にセットバックすることで可能ではないでしょうか。街路樹が不可能な歩道に、金沢らしい趣を凝らし積極的に対応すべきと思いますが、いかがでしょうか。 いま一つは、県津幡土木事務所のアイデアで、昨年試作された安くて簡単、威力抜群とマスコミに報道、注目された急勾配の融雪装置についてであります。津幡町山合い興津、上河合地内で急勾配の道路に散水升を掘り、道路わきの側溝から埋設したパイプで流し込んだ沢水をあふれさせて融雪する路面流雪が大変な威力を発揮したとのことであります。費用は 1,350メートルと 430メートルの2カ所、計37個の升で総工費 650万円と、他の融雪装置では考えられない格安で、報道の記事によれば、この升融雪は消雪パイプのように水が周囲に飛び散って歩行者の足元をぬらすこともなく、目詰まりさえ注意すれば半永久的に使用可能であり、その効果大としています。ちなみに、私も、県津幡土木事務所に確認をしたところ、雪が少なかったからと控え目ながらも、さらに別の箇所にも新設したいと意欲を示し、自信のほどがうかがえました。 また、県では、要望があれば応じるとのことであります。本市も山間部が多く、安くて簡単、効果抜群なら言うことなし。試験してみる価値があるように思います。あわせ土木部長の御答弁を得たいと思います。 質問の最後は、水辺環境についてであります。 その第1は、用排水路を生かした水辺散策道の造成についてであります。今年、鞍月用水が水質、景観改善が評価され、全国47カ所とともに建設省の水辺散歩道に選定されたとのこと、まことに喜ばしく思います。 本市には、辰己用水、長坂・大野庄、泉用水、寺町排水路、沼田排水路など多くの用排水路が流れていますが、これら市街を流れる部分で、可能な限り親水・水辺散歩道として整備してはと思います。何も鞍月用水並みにせよと言うのではありません。植栽し、魚や蛍が生息できるよう、自然環境を整え、地域住民の誇りとなるような美しい用水路の整備をということであります。観光客の目を引く鞍月・大野庄用水のみならず、地域の隠れた用水の美しさがあってこそ、本来の金沢のあるべき姿ではないでしょうか。積極的な取り組みを希望し、市長の御答弁をいただきたいと思います。 次に、野生生物の生息可能な河川整備についてであります。今日、河川用水の護岸整備が進む中で、魚や野鳥を初めとする野生生物に多大な影響を与えています。洪水防止の上からは必要な拡幅護岸工事も、直線的コンクリート3面張りに整備された河川用水は、著しく魚などの水生生物の生息環境を損ない、せっかく水質が浄化されつつあるにもかかわらず、結果的には魚の遡上、産卵を拒み、また岸辺のヨシや柳などの草木もブルで根こそぎされ、鳥や蛍なども生息を脅かされています。 河川用水は、都市生活にとって欠かせぬ自然との触れ合いの場でもあります。そこに魚や鳥がすめぬのでは、本当のアメニティー快適環境と言えるのでしょうか。今後の河川整備は野性生物に十分配慮していただくよう求めます。土木部長の答弁をお願いし、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(北市朗君) 江川市長。   〔市長江川昇君登壇〕 ◎市長(江川昇君) 福祉、高齢者対策から始まりまして、特に健康問題についていろいろとお尋ねがございました。 まず私の健康についてのお尋ねでございますが、私は、健康とは申しながら、やはり自分自身にとりましてはいろいろ問題もございます。健康を保つためには、何よりも大事に至る前の予防が大切と私は考えております。したがって、定期的に健康診断を受けることをいたしておりますが、ともかく、市政をあずかる者といたしましては、常に前向きの姿勢で物事に当たりまして、目的意識を持って事に当たることが健康を保つことであろうかと思っておるわけでございまして、何とぞこの上とも御指導のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、福祉、高齢者の対策でございますが、この高齢者の雇用対策でございますが、高齢者の雇用の実態につきましては、金沢公共職業安定所の管内の 100人以上の事業所における高齢者雇用率は、昨年6月現在 8.4%でございます。 職域拡大の対策については、金沢市高齢者雇用奨励金制度の普及、あるいはこれが活用、また広報等による啓蒙等を進めてまいりますとともに、シルバー人材センターの機能を十分に拡充いたしまして、そしてこれが活用を図りたいと思っております。 高齢者の能力開発につきましては、その研究を職業訓練校や技能開発センターについて要請してまいりたいと、そういうぐあいに思っております。 福祉、高齢者対策のうちの寝たきり老人、痴呆性老人の福祉施設の拡充につきましては、仰せのとおりでございます。ごもっともと思いますが、老人ホームの入所希望者が増加しつつあるこの実情から、まだ足りないところのこの施設を県に対して拡充していただくように、また民間において、これが拡充を希望しておるものもありますので、こうした要望に沿うことができるように県に働きかけておるところでございます。 次に、高齢伝統職人の活用でございますけれども、いろいろお話がございましたが、今、 100周年記念事業の一つとして建設中の金沢卯辰山工芸工房の指導人の中で、このことを進めてまいりたいと思っておりますが、その中で高齢者職人の方の高度な技能を活用いたしまして、後継者の育成を図ることも考えられますし、ここに入所する方々につきましては、年齢の制限をいたしておりませんので、できるだけ高齢者職人の自由な出入りというものを考えておるわけでございます。 次に、独居老人の下宿制度の創設でございますが、ひとり暮らしの老人がふえつつある中で、地域社会で安心して生活ができるよう民間アパートの借り上げ方式による老人アパート、あるいはまた居住する看護婦等によるケアつきの住宅、あるいはまた有料老人ホームの運営、こうしたことがありますが、ホームヘルパーの十分な活用を考えながら、一方では持ち家比率と社会環境の相違もあることから、直ちに本市にふさわしいものであるかどうか、これはなお検討を要すると思いますが、独居老人の下宿制度につきましては、今後十分検討してまいりたいというぐあいに考えております。 次に、同じ独居老人の信託型住宅の構想でございます。県の高齢化社会における豊かな住まいづくり懇話会では、この話が提言がございました。独居老人信託型構想については、現在、調査中であると聞いておりまして、その進展を見ながら対応をしていくことが適当だというぐあいに考えておるわけでございます。 さらに、高齢者の福祉施設への入所の問題でありますが、高齢障害者で入所を必要とする方につきましては、現在、特別養護老人ホームで対応いたしております。施設の整備については要望しておる一方、高齢化や障害の多様化が予測されますので、障害者及びその家族を対象としたニーズ調査を本年度から実施をいたしました。その結果を踏まえた上で、今後のあり方を検討してまいりたいと考えております。 この身障者の雇用につきましては、経済部長から詳しくまた御説明を申し上げます。 次に、留学生問題でございますが、在日留学生に積極的な援助をと、ごもっともな話でございます。留学生が日本に滞在したことを本当に心から有意義だったと評価をすることは、最も大切な点であると思います。我々ができることは、知識や技術を提供すること以上に我々の心を開くことであり、彼らとの心の交流を進めることにあると思うのであります。 64年度に発足を予定しております国際交流センターと連携をとりながら対応していくとともに、機会があれば国に対しても関係機関を通じて働きかけてまいりたいと思うのであります。 次に、雪対策でございますが、河川水利用の消融雪についてでございます。地下水利用の消雪は、地下水位の低下という問題を提起し、今後は、河川水利用による消雪、融雪を進めていく必要があると考えるのであります。基本的には、河川水が利用できる適地で、技術的に可能な道路、特に細かい街路を中心に消融雪溝を設置していく必要があると考えておりますが、また、公共性の高い急勾配の坂道につきましては、散水方式の整備を進めていくことといたしておりますし、これも続けていくつもりでおります。いずれにいたしましても、克雪都市を目指し、今後ともたゆまぬ調査研究を進めていかなければならないと考えておる次第でございます。 雁木の話が出ました。多雪地帯である当市におきましても、歩道等の除雪に苦慮していることは御指摘のとおりであります。歩行者空間を確保する意味からも、片町等の都心軸、それの可能な部分について積極的にアーケードの設置を指導しておるところであります。 御提言のこの雁木につきましては、地権者の難しい問題等、いろいろ検討すべきことが多くありますが、今後の課題として研究いたしたいと思いますが、何しろこれは長い伝統の中で、この地方としてはこうした慣習が今までないという問題もありますので、それらを含めて、今後の課題として必要な程度を検討してまいるつもりであります。 次に、散歩道のうちの側溝排水不良の改善についてでありますが、この排水問題は、技術的に検討の結果、早期に対応いたしたいというところがたくさんございます。あるいは橋場町、また森本町周辺については、本線、枝線川の水位及び下流部の容量の関係上、早期に対応が困難と思われますが、今後、本線の改良促進を含めて早期改修に努めてまいりたいというぐあいに思っております。 特に、橋場町につきましては、技術的に検討の結果、早期に対応していきたいというぐあいに思っております。 この用水水路を生かした水辺の散歩道の増設、野性生物の生息可能な河川整備ということでございますが、本市街地を貫流いたします多くの河川、用排水路は、貴重な歴史的文化遺産として恵まれた自然を守りながら、市民すべての生活環境をさらに快適なものにすることが私たちの使命であると考えております。21世紀に向けて、価値観の変化しておる現在、自然環境への関心が一段と高まるものと考えられますが、御提案の河川用水への取り組みも、治水・利水のみにこだわらず、自然環境の保全と快適環境の創造に努力してまいらなきゃばならぬと、そういうぐあいに考えておりますので、御承知を願いたいと思いますが、細部につきましては、それぞれの部長からお答えをいたします。 ○議長(北市朗君) 齋藤経済部長。   〔経済部長齋藤恵三君登壇〕 ◎経済部長(齋藤恵三君) 10番本間勝美議員の身障者雇用についての御質問にお答えをいたします。 まず第1に、障害者雇用の状況でありますが、金沢公共職業安定所管内企業のそれは、昨年は 1.2%と法定雇用率 1.5%を下回っていると聞いております。 第2に、障害者雇用の促進につきましては、雇用率未達成企業に対する指導強化を職業安定所に要請するとともに、本市の身体障害者継続雇用奨励金制度の普及、それから広報等マスメディアによる啓蒙を図るなどで対処してまいりたいと存じます。 第3に、障害者の職業能力の開発訓練につきましては、石川障害者職業訓練校におきまして、OA関係教育が行われておりますので、職業安定所を通じまして、職場確保を要請してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(北市朗君) 京田土木部長。   〔土木部長京田善治君登壇〕 ◎土木部長(京田善治君) 雪対策につきまして、市長答弁を補足させていただきます。 蛤坂の河川水利用散水式消雪の効果と今後の対応につきましてでございますが、蛤坂の装置は、モデル的に設置したものでございまして、ことしの冬は積雪が平年の3分の2程度でございましたので、十分な稼働ができませんでした。引き続き資料収集を継続いたしまして、継続していきたいというふうに考えております。 しかしながら、降雪中の状況は路肩部分には多少の雪が残りましたが、道路中央部はおおむねその成果が得られましたので、今後、使用水の温度の確保や水利権の調整、あるいは急坂などの諸条件が備わった適地につきまして、道路の利用状況を勘案して導入を検討していきたいと考えております。 それから、急勾配、山間部の融雪につきましてでございますが、御指摘の路面融雪は、急勾配の路面、道路面に散水弁を掘り、道路わきの側溝から埋設パイプで流し込んだ沢水をあふれさせて道路の雪を解かす方法で、大変大きな成果を上げております。 山間部の消融雪については、本市でも工夫を凝らしているところでございますが、県下の各地のスキー場への坂道に設けた装置とか、あるいは石川県の津幡土木事務所で設置しておりますものなどを参考にいたしまして、経済性や地理的条件を含めて、その可能な場所を検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(北市朗君) これにて、本日の質疑並びに一般質問を終わります。            -------------- △散会 ○議長(北市朗君) よって、本日はこれにて散会いたし、次の本会議は明23日午前10時から開きます。 本日はこれにて散会いたします。    午後2時29分 散会...